次世代型教員養成の在り方について-高校生を対象とする奈良県次世代教員養成塾の取組-(竹村 謙司 著) -奈良教育大学 出版会-
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い社会の中でも、伝統や文化に立脚した広い視野を持ち、志高く未来を作り出していくために必要な資質・能力を子どもたちに育むことが求められています。 「次世代の学校」では、今まで以上に子どもたちに向き合う時間を確保し、質の高い授業や個に応じた重点的な学習指導により、これからの時代に必要な資質・能力を保障していく必要があります。さらに、多様な子どもたち一人一人の状況に応じ、それぞれが持つ能力を最大限に伸長していく必要があります。 まさに「Z世代」すなわち「次世代」であるこれからの人材が、「自分とつながり」、「人とつながり」、「学びとつながる」ことで、「次世代の学校」を支える「次世代の教員」としての力を身に付けてくれることを願い、「奈良県次世代教員養成塾」の取組について述べたいと思います。 2.奈良県次世代教員養成塾とは 奈良県次世代教員養成塾は、奈良県教育委員会と県内に大学法人を置く教員養成系大学(畿央大学、帝塚山大学、奈良学園大学、奈良教育大学、奈良女子大学、大和大学)が連携して、奈良県内の高等学校等に在籍する小学校教員を目指す生徒を対象に、未来の本県教育を担う資質・能力を育成することを目的として、高等学校の2年間と大学進学後4年間の6年間を通して継続したプログラムを実施する、全国初の取組です。具体的には、奈良県内の高等学校又は中等教育学校に在籍する生徒を対象とする前期プログラムと、大学進学後も継続して実施する後期プログラムによって構成されています。 前期プログラム(図1、図2)は、奈良県内に大学法人を置く教員養成系大学(畿央大学、帝塚山大学、奈良学園大学、奈良教育大学、奈良女子大学、大和大学)が中心となって講座を運営します。第1期受講生については平成30年10月から令和元年8月まで、第2期受講生については令和元年10月から令和2年8月までの月1回程度、原則として土曜日に計10回のプログラムを実施しました。第3期受講生については、令和2年10月から令和3年8月までの月1回程度、計10回のプログラムを実施予定です。 本プログラムは、小学校の教員を目指す高校生が、「学ぶこと」の意味を考え、自らの目標を達成するため主体的に学ぶとともに、キャリアデザインにつなげていける内容で構成されています。前期プログラム修了時点において、各大学

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