教育における「豊かな体験」とは?-教育哲学からのアプローチ-(浅井 健介 著)- 奈良教育大学 出版会 ー
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浅井健介(Asai Kensuke)2015年京都大学大学院教育学研究科修士課程修了 (修士(教育学))2018年京都大学大学院 教育学研究科博士後期課程 研究指導認定 2020年東大阪大学短期大学部実践保育学科非常勤講師2021年奈良教育大学特任講師【研究テーマ】ベンヤミン思想をはじめとした現代思想の研究を通じて、〈教える‐学ぶ〉といった図式では捉えきれない「教育」という言葉の意味の深さや広がりについて考えています。特に、社会のなかで抑圧されているまだ言葉にもなっていないような声を教育学のなかでどのように扱うことができるのかということに関心があります。【好きな映画】『わたしを離さないで』。日本のテレビドラマ版ではなく、キャリー・マリガン主演の映画の方です。カズオ・イシグロによる原作小説も素晴らしいですが、映画版は小説とはちがう映画ならではの見せ方をしており、そこがとても好きです。何度見ても新しい発見があります。『グッドモーニング,ベトナム』。チンタラー・スカパットという女優が演じるベトナム人少女が「パフ(Puff, The Magic Dragon)」という歌を口ずさむシーンが印象に残って忘れられなくなった映画です。ロビン・ウィリアムズ主演の映画で、一般的な戦争映画とは違う切り口で戦争や異文化交流について考えさせてくれます。【今の研究分野を選択したきっかけ】教室に限らない学校の外側の環境も含めて教育について考えたいと思っていたため、教科教育学ではない教育学を学べる学部を選びました。入学後は当初マス・メディア論を扱う教育社会学系に進もうと思っていたのですが、図書館でたまたまタイトルだけを見て手に取った今井康雄『メディアの教育学』(2004年、東京大学出版会)という本を読んだことがきっかけで、教育思想史(教育哲学)という分野の面白さを知り、この分野に踏み込むことになりました。【好きな小説】灰谷健次郎『太陽の子』。小学生のときに初めて読んで以来、自分が教育についてもっと深く考えたいと思うきっかけの一つになった本です。

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