発達障害のある子どもへの支援について-特別支援教育研究センターの取り組み-(小松 愛 著)- 奈良教育大学 出版会 ー
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発達障害のある子どもへの支援について -特別支援教育研究センターの取り組み- 奈良教育大学特別支援教育研究センター小松 愛 1.はじめに 私は奈良教育大学の中にある、特別支援教育研究センターに所属しています。この特別支援教育研究センターがどういうところかというと、発達障害のある子ども(未就学~高校生)を対象に本人や保護者の方からの発達相談を受けたり、学校関係者へのコンサルテーション、子ども向けプログラムの運営、一般や学生に向けた研修や講演の企画運営、調査研究などを行う専門機関です。その中で、私は臨床心理士、公認心理師として主にアセスメントを含めた発達相談業務、プログラムの運営を担当しています。 今回は、実際にセンターでどんな活動をしているのか、プログラムについてはその成果にも触れながらご紹介していきたいと思います。 2.発達障害と特別支援教育 まず、発達障害について簡単に説明しておきます。今は発達障害に関する情報がたくさん広まっていますし、当事者の方も色々な方法で発信していますので、皆さんも聞き馴染みがあるのではないでしょうか。医学的(1)には「神経発達症」という一群に該当し、運動機能の発達がゆっくりだったり、身体の使い方が不器用だったり、感覚や物事の捉え方・コミュニケーションの取り方が独特だったりするという特徴が見られます。診断としては、「知的発達症(ID)」、「自閉スペクトラム症(ASD)」、「注意欠如・多動症(ADHD)」、「限局性学習症(SLD)」などがあります。

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