子宮頸がん検診受診向上のためのアンケート調査-AYA世代を中心に-(森野 ひとみ 著)- 奈良教育大学 出版会 ー
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⼦宮頸がん検診受診向上のためのアンケート調査 −AYA世代を中⼼に− 奈良教育⼤学 家庭科教育講座 森野 ひとみ 1.はじめに ⼦宮下部の管状の部分を⼦宮頸部、⼦宮上部の袋状の部分を⼦宮体部と呼び、それぞれの部位に⽣じるがんを⼦宮頸がん、⼦宮体がんといいます。 ⼦宮頸がんは⼦宮がんのうち約7割程度を占める。以前は発症のピークが40〜50歳代でしたが、最近は20〜30歳代の若い⼥性に増えてきており、30歳代後半がピークとなっています。〔1〕初期には、ほとんど⾃覚症状がありません。しかし、進⾏すると、不正出⾎、性交時や性交後に出⾎する接触出⾎、おりものの量の増加、下腹部痛を起こす等、様々な症状が出てきます。国⽴がん研究センターの調査によりますと、⼦宮頸がんの罹患者数は、年間10,879名(2019年)で、死亡者数は、2,894名(2021年)⼈でした〔2〕。毎年、1万⼈強の⼈が罹患し、3,000⼈弱の⼈が死亡している現状です〔3〕。 最近では、「AYA(Adolescent and Young Adult)世代がん」と呼ばれる15〜39歳の間に発⽣するがん(悪性腫瘍)が多くなってきている現状があります。しかし、⽇本におけるAYA世代の検診率は、わずか7%と極めて低いです。AYA世代の検診受診率は勿論、⽇本に検診受診率を向上させるため、以下に⽰す研究を⾏っています。 本研究では、「AYA世代がん」になる前に、⼦宮頸がん検診を受診することで、早期発⾒、早期治療、予防ができるにもかかわらず、AYA世代の検診受診率が低いため、AYA世代がどうすれば検診・受診をしに病院に⾏

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