科へ⾏くことへ抵抗や恥じらいのある⼈は病院で検査をすることなく、⾃宅で採取でき、検査の予約も必要なく、個⼈の時間を使うことができ、医師の性別を気にする必要もなくなります。また、⼦宮頸がんの原因であるHPV(ヒトパピローマウイルス)は、性交渉により感染するため、男性にも影響を及ぼすことが近年分かってきました〔5〕。今後、男性が産婦⼈科を受診することも予想されますが、産婦⼈科への受診に抵抗のある男性が⼤多数になることも想定され、⾃宅で採取できる検査キットの開発は有⽤であると考えられます。 病院で服をどこまで脱ぐのか、診療台の乗り⽅等は、⼦宮頸がんの基礎知識と並⾏して学ぶことができる場を設けることが極めて重要であり、がん教育やそれらの啓発活動がまだ⾜りていないことが分かりました。そのため、啓発活動は勿論、⾼等学校までの教育課程や⼤学等の教育機関でのがん教育を積極的に⾏うことが今後の課題となります。 今後の課題と展望 1.今回は、組紐・PLLA⽷とY字型異形断⾯を⽤いた⼦宮頸がん⽤細胞採取ブラシを試作しましたが、PLLA ⽷とY字型異形断⾯は同じで、組紐をミサンガに変えて、⼦宮頸がん⽤細胞採取ブラシを作り、吸着量を測定し、⽐較検討を⾏います。 2. 近年中に、検査キットを作製することは可能になりますが、細胞採 取後、⼦宮頸がんの有無の判定をしてもらうための専⾨業者を依頼 しなければなりません。しかし、多額のお⾦が必要になります。で きるだけ安価で判定ができる⼿段を考えていきます。 謝辞 本研究を遂⾏するにあたり、アンケートのご回答を賜りました2,144名の⼥性の⽅々に、謹んで深甚なる感謝の意を表します。
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