生きものとの関わりと子どもの発達-手のひらの中の命と出会う-(藤崎 亜由子 著)- 奈良教育大学 出版会 ー
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⽣きものとの関わりと⼦どもの発達 −⼿のひらの中の命と出会う− 奈良教育⼤学 学校教育講座 藤崎 亜由⼦ 1. はじめに みなさんは⽣きものと聞くと真っ先に何を思い浮かべるでしょうか? 動物園のゾウやキリンなどが頭に浮かぶ⼈もいれば、イヌやネコなどの⾝近なペット動物を思い出す⼈もいるでしょう。また、最近はめっきり⽣きものと触れ合う機会が少なくなったと感じる⼈も少なくはないでしょう。 私の専⾨は発達⼼理学と保育で、私たち⼈間が⽣きものをどのように理解し関わっているのか、⽣きものとの関わりから何を学んでいるのかを研究しています。⽣きものには植物や菌なども含まれますが、その中でも動物、特にペット動物や学校飼育動物、そして⾍との関わりを通して⽣きものと⼈間の関わりについて考えてきました。以下では、動物たちの「⼼」を理解する⼈間の⼼に注⽬した研究を紹介した後、学校飼育動物の代表であるウサギと⼦どもたちの関わり、そして⾍との関わりについての研究をご紹介したいと思います。 2. 動物に「⼼」はあるの? ⼈間以外の動物に「⼼」はあるのでしょうか? ペット動物の飼い主た

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