ならやま 2014年春号

ならやま 2014年春号 page 17/24

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どんな授業?2回生時に開講される必修授業です。この授業では、教員にとって必要不可欠な技術であり、子どもたちの学習理解にも大きな影響を与える板書技術について学びます。「漢字の基本点画の書き方」や「ひらが....

どんな授業?2回生時に開講される必修授業です。この授業では、教員にとって必要不可欠な技術であり、子どもたちの学習理解にも大きな影響を与える板書技術について学びます。「漢字の基本点画の書き方」や「ひらがなを整えて書く」など実際に文字の書き方に関する授業だけでなく、「ひらがなの誕生とその美」「カタカナの誕生」など文字を書くにあたって知っておくべき事項についても学びます。第8回目以降の授業では、実際に黒板とチョークを使い、実践的に学びます。単に字を上手く書けるようにするだけでなく、黒板上での文字の配置やレイアウトが上手くなるよう空間配置能力・板書構成力・板書実践力を身に付けることを目的としています。このような板書に関する授業が必修授業として行われるのは、全国の大学で本学が初めてです。●講義時間:90分●大講義室および3面に黒板が設置された教室で行われる。●2回生時の必修授業授業の様子や教員のコメント・クラスの半分ずつが板書し、板書していないときは紙に書いて練習する。・ひらがなと漢字、画数の多い漢字と少ない漢字でそれぞれ大きさを調整し、バランスをとるよう注意。・書き順を間違えることがよくある。実際の学校現場では子どもたちはそういうところをよく見ている。また、教員採用試験でもチェックされるところ。・板書がきれいな先生のクラスは、他のクラスと比べてテストの点数が高い。これは奈良県では常識。・「はらい」と「とめ」をきちんと。授業を振り返っての感想(学生が授業時に発言したもの)・授業で学んだ文字の成り立ちをきちんと意識して、板書したい。・迅速に板書するのが難しい。・黒板消しを使わずに、一発で板書する練習をしてみよう(第13回時)・ここで学んだことを振り返り、自分の癖を直していこう。・この授業だけでなく、自分でも継続して練習する必要がある。・2回生のうちから、板書について意識を持つことで、3回生の教育実習の時に大きく違ってくる。・板書する時の姿勢にも注意すること。板書に自分の体がかぶってしまうと、板書が子どもたちに見えない。・黒板消しを使って何度も書き直せばきれいに書けるが、本当の授業ではあまり消すことができない。そこが難しい。第8回と第15回の比較(右が第15回)藤田さんの板書の比較に対しての教員からのコメント・文字の大小がきちんと把握されている。・文字の大きさやバランスについて計算できている。第9回~第13回第14回第15回実践書道を専門とする4名の教員が各教室を移動し、毎回それぞれの専門に基づいた実践的な指導が行われます。与えられた課題を板書し、それを教員とTAの大学院生が添削します。個々人の癖などが指摘され、次回以降はその癖を直すよう意識しながら、板書を練習します。講義大講義室に受講生全員が集まり、電子黒板などの電子機器や電子教材の使用について学びます。事前に電子黒板等を用いて模擬授業を行うよう課題が出されており、各自基本的な扱い方は理解した上で、実際の教育現場でそれらをどのように活用することができるのかを考えます。実践各教室にわかれ、第8回の授業時に板書したものと同じように自分の名前と短文を板書し、どのように成長したか自己評価します。また、それを写真撮影して記録に残します。受講生の声教育学部学校教育教員養成課程教育発達専攻教育学専修2回生ふじた藤田くにてつ哲国さん奈良県立高田高等学校出身私は小さい頃から左利きでもともと字を書くのが苦手で、黒板を使うことにも慣れていなかったので、最初はこの授業にとても不安を感じていました。しかし授業の中で、単にきれいな文字を書くことだけが板書として重要なのではなく、文字の大きさや配置を考えることやそれらを意識しながら練習を継続していくことが大切だと分かりました。授業では、書体や成立ちを知ることから実際のチョークを使った練習に至るまで幅広く、どのようにすれば良い板書になるのか考えながら受講することができました。また自分の板書に対して個別にアドバイスがもらえたので、苦手な文字や癖を意識しながら板書を見直せるようになりました。今まで授業を受ける側でしか見ていなかった板書が、今では「どのようにすれば理解しやすい授業の板書になるのか」と考えるようになっています。今後は、模擬授業や授業案作成の中でもより良い板書利用をしていきたいと思いますし、普段の生活から書く字を整えることを意識しながら練習を重ね、今回の授業を今後の教育実習にも生かしていきたいと思っています。谷川准教授から学生へのメッセージ授業では板書構成の基本から始まり、漢字・平がな・片かな・数字・アルファベットの美しい書き方を学び、各教室に分かれて実践し、縦書き・横書きで自由自在に板書できる力を養います。その他に電子黒板を使って模擬授業をする課題も出て、最新の機器にも対応できる力をつけます。現代において書くことはますます少なくなり、レベルの低下は避けられないことですが、教師の板書は教育現場でなくなることはありません。今までの書き癖を修正し、正しい書き順を学ぶことで子どもの前に堂々と立てるよう指導します。板書の文字に自信を持って教育実習に生かせるように頑張りましょう。SPRING 2014ならやま_16