ならやま 2014年春号

ならやま 2014年春号 page 8/24

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W羅盤NS針E奈良教育大学の取り組み自然環境教育センターの取組本学の自然環境教育センターは、実習園、実習林を備えており、教師を目指す学生の教育研究の場であるとともに、近隣住民の方々にも広く利用していただい....

W羅盤NS針E奈良教育大学の取り組み自然環境教育センターの取組本学の自然環境教育センターは、実習園、実習林を備えており、教師を目指す学生の教育研究の場であるとともに、近隣住民の方々にも広く利用していただいています。実習園、実習林での多岐にわたる取組を紹介します。http://www.nara-edu.ac.jp/ECNE/はじめに自然環境教育センターは、学生や社会人、子どもから大人までを対象に、自然環境教育を推進することを目的とした施設で、奈良実習園と奥吉野実習林から成り立っています。かつては、農業免許を取得するための農業と林業の授業、実習、研究施設として整備されていました。農業免許が廃止されたことや、近年の子どもの自然離れ、野外活動の減少、自然環境教育の必要性が叫ばれるようになったことから、平成6年に省令施設として農場と演習林は自然環境に関わる教育・研究の場として改組、名称変更され、現在に至っています。そのため、教員養成系大学には珍しく、奈良教育大学は実習園と実習林を備えているのです。ただ、それらの施設の存在は授業やゼミなどで利用するとりい自然環境教育センター長鳥居はるみ春己機会のない学生には、余り知られていません。実習園は大学の南1kmくらいで、附属幼稚園児でも歩いてイモ掘りに行ける距離です。しかし、実習林は吉野郡大塔村(現在は五條市に編入)にあり、車でも2時間かかります。共に学生は自由に使える施設となっていますので、在学中に一度は訪れてください。また、自然環境教育センターでは研究部員制度を設けています。学長裁量経費でのミミズプロジェクトなどの研究活動にも協力していただいており、自然観察や環境教育に興味・関心のある方であれば、特別な資格は必要としません。卒業してからも、何か研究を続けたいと思う学生さんはご参加ください。奈良実習園奈良実習園は、栽培や生物、自然に関する授業、実験、実習などに供するとともに、広く学校(園)における自然体験の場となっています。教師をめざす学生にとって、小・中・高等学校どの段階の学校に勤めるにしても、作物(植物)を育てることと無関係ではいられません。子どもと一緒に学級園や窓下花壇を作り、生活科や理科の授業での栽培、社会科で日本の農業を教える時、技術・家庭科でも栽培や食物を学習する時など、直接・間接にかかわっています。さらに、全教科がかかわる「環境学習」にも、実習園はさまざまな教材を提供することができます。このような背景から、教育学部が実習園を持つ意味は大きいと言えます。植物の育成や収穫といった農作業を通して、農業を取り巻く環境や、私たちの食料にかかわる問題など、より広い視野で考えを深めることのできる格好の場となるのではないでしょうか。また、附属学校(園)はもとより、近隣の保育所、幼稚園等にも広く施設を開放しています。毎年多くの園児がジャガイモ掘りやサツマイモ掘りを楽しんでいます。公開講座「親子米作り教室」では、親子で田植え、稲刈り、餅つきを体験してもらっています。また、市民に「畑で汗を流しませんか」という公開講座も開講し、手はかかるし、見栄えは悪いのですが、無農薬の野菜を栽培してもらっています。近年は、留学生にも畑や田圃を開放しています。特に、欧米からの留学生には、田圃の泥に足を浸しての田植えや稲刈り、餅つきも貴重な経験となっているようです。米作りは日本文化の基礎となっていますが、それはアジア太平洋地域に共通した文化でもあり、地域に根ざした米作り文化でもあります。そのため、ユネスコスクールはESDという視点から米作りを共通テーマとしてネットワーク化に取り組んでいます。ユネスコスクールに加盟している本学にとって実習園は重要な存在だと言えるでしょう。Voice学校教育教員養成課程理数・生活科学コース家庭科教育専修4回生わたなべはるか渡邊遥華さん私立天理高等学校出身実習園では、なっきょん食育塾の活動で「大和まな」の栽培、年末には餅つきを体験しました。また、実習園で栽培した餅米のわらを頂き、江戸時代の町家が残る今井町でしめ縄づくりを行い、そのしめ縄を実習園で飾っていただきました。このように、実習園において、多くの生活文化体験を経験させていただきました。自然を相手にする厳しい作業や、昔ながらの生活文化を実際に経験することで、自然の恵みのありがたさや日本の生活文化の良さを全身で感じました。さらに、実習園の方々や先生方、一緒に作業をした学生との出会いが、自分自身の視野を広げ、一歩成長した自分になることができたように思います。7_SPRING 2014ならやま