ブックタイトルならやま 2014夏号

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概要

ならやま 2014夏号

クローズアップ本学教員の研究を詳しく紹介子どもの身近な地域とまず、最近の私の授業光景(写真1、2)を見ていただきましょう。写真1は、「初等教科教育法(社会)」という授業で、東大寺南大門(国宝)の歴史的背景等に関する説明をしている光景です。写真2は、「地域文化論」という授業で、本学の実習園(農場)の一隅に立ち、ヒガンバナの球根を学生諸君に見せながら、かつて飢饉のときには根に含まれるデンプンを水さらししたうえで食用にしたという説明をしている光景です。実習園は、大学から南に徒歩10分ほどのところにあり、秋にはヒガンバナの花と稲穂が美しい景色を演出してくれます(写真3)。写真1・2ともに、私の研究の延長線上にあるものですが、以下では、私がこれまでどのようなことに関心を持ち、研究を進めてきたのかを具体的に述べていきます。子どもは身近な地域をどう把握しているか私は、学部と大学院修士課程で地理学という分野を専攻しました。大学院生のときに、地理学研究の延長上の課題として、私は、子どもが自分の身の回りの地域をどのように把握しているのだろうか、という問題に関心を持つようになりました。当面の研究材料は、子どもの手描き地図です。写真4は、私の初期の研究で入手した手描き地図のひとつで、東京都内の小学校1年生(男児)が自宅から学校までの通学路の様子を描いたものです。6才頃の子どもは、自己中心的に身の回りの様子を見ますが、写真4の左下あたり、横断歩道の描き方に、そのことが端的に表れています。私は、修士課程修了後、1979年4月に東京都内で小学校教員になりま(写真4)子どもの手描き地図の一例(岩本1989より)(写真2)実習園でヒガンバナの球根を見せる筆者(中央)(写真1)東大寺南大門付近での授業のひとこま(写真3)秋の実習園の様子9_SUMMER 2014ならやま