ブックタイトルならやま 2014夏号

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概要

ならやま 2014夏号

附属学校園ニュース[附属学校園]http://www.nara-edu.ac.jp/guide/garden.html附属幼稚園2月27日ユネスコクラブの学生さんが『鹿』について教えてくれました奈良に住む附属幼稚園の子どもたちにとって、鹿はとっても身近な存在です。そんな鹿についてもっと知ろうと、年長児の“きぐみくらぶ”の時間に、大学のユネスコクラブの学生に『しか』の話をしてもらいました。学生が子どもたちにわかりやすいデジタル教材を製作し、楽しくクイズ形式にしてくれたので、子どもたちも喜んで参加していました。特に「鹿は何故、奈良に住むようになったか」という神話からのお話をわかりやすく、劇にして演じてくれたので、小さな子どもたちにも理解することができました。大学附属の良さを生かし、学生との楽しい接点を今後も増やしていきたいと思っています。附属小学校5月22?23日ヒロシマ修学旅行─被爆の事実と人々の願いを知る6年生広島市出汐町に、厚さ約5mmの鉄板の窓が規則正しく並ぶレンガ造りの大きな建物が残されています。先の戦争中に軍服などを製造していた旧広島陸軍被服支廠跡です。今、窓の鉄板は、建物の内側へ向けて一様に凹んでいます。ひどいところでは10cm近くもです。69年前、ここから南東約2700mの地で炸裂した原子爆弾の爆風によるものです。15歳のときにこの場所で被爆された中西巌さんは、「そのとき…、わたしは…、ここで…」とゆっくりと子どもたちに語りかけられます。「ここで…」「そこに…」と言われるたびに子どもたちはその方に目をやり、被爆直後の惨状を想像していきます。事実と被爆者の願いにふれることで、子どもたちの内に平和への願いが芽生えることを望みます。附属中学校附中ESDの中核としての学年宿泊行事附中の5月は宿泊行事の準備と実施、まとめに追われます。1年は曽爾高原での野外活動を通して、附中での三年間を共に過ごす仲間としての連帯感を高め合いました。2年は鳥羽市答志島での臨海実習です。初日の漁家訪問では、様々な漁法、漁家のくらし、環境の変化、仲間とのつながり等、漁師さんから貴重なお話をうかがいました。ESDでは「将来世代への責任感」、「地球の環境容量を理解する力」を培うとされますが、漁師さんのお話は何れもこれらにつながるものでした。翌日は理科の磯観察を行い、各班のテーマに沿ってヒトデや貝、海浜植物などを観察し、スケッチ等を行いました。3年の沖縄修学旅行では、附中のESDで特に大切にしている「いのち」「平和」というテーマに迫る学びを企図しています。初日は平和祈念資料館見学、ガマの体験、平和集会、戦争体験者の方のお話等、沖縄戦の実相に近づくための取り組みを行い、2日目は現地学生ガイドと共に、那覇から読谷までの戦跡や基地などを巡りました。ESDで重視する「人間の尊厳はかけがえがない」という価値観が戦争ではたやすく踏みにじられること、また「自分で感じ考える力」「問題の本質を見抜く力」「現実的な課題に取り組む」などのESDで育みたい力や学びの手法が沖縄で培われたように思います。奈良に息づく仲間たち[自然環境教育センター]http://www.nara-edu.ac.jp/ECNE/自然環境教育センターつじのりょう准教授辻野亮実習園のキジ大学本部から10分くらい南に歩いたところに奈良実習園があります。実習園では、田畑を授業・実習に用いているだけではありません。田んぼと畔の雑草は共に日本の文化に深く根差した大切なものですから、実は畔や空き地に生育している雑草も幾つかの授業では立派な教材として利用されています。そういうわけで部分的に草刈りを控えていました。すると、今年の春はおもしろいことが起こりました。雑草の草叢にキジが卵を産んだのです。雑草を残し▲水が満たされつつある実習園の田んぼ▲キジの卵ていた思わぬ効用です。雌のキジは全体的に薄茶色の地味な色合いですが、雄のキジは赤い顔と輝くような濃緑色の体、薄茶色の翼と尾羽をしており、その愛嬌ある姿から桃太郎や「雉も鳴かずば」でよく知られています。昔から里近くの農耕地や林などに棲息しているので、キジが「ケン、ケーン!」と鳴いているのを聞いたことがある人も多いはずです。雑草の草叢を残すことで、キジだけでなく他の生き物にとっても住処を残すことができたと思われます。実習園では6月初旬の田植えを経て少し雑草を刈ってしまいましたが、トカゲやカナヘビ、カエル、さまざまな虫の気配は感じられ、生き物の賑わいは今も衰えを知りません。SUMMER 2014ならやま_22