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概要

ならやま2014秋号

奈良県立青翔中学校・高等学校?学校紹介本校は、奈良県御所市にある全校生徒数約400人の小規模な学校です。平成16年に全国初の理数科の単科高校としてスタートし、今年度で創立10周年を迎えますが、その歴史は古く、御所女子技芸学校、御所高等女学校、御所高等学校を前身としています。開校当初より本校は、特色のある教育課程を実施し、体験を通した理科や数学の学習を重視しています。その中の代表的な取組が、「総合的な学習の時間」の代わりとして行っている「探究科学」という科目の開設です。この科目は、生徒がグループに分かれて、自分達の興味・関心のある事柄について研究活動を行うというもので、その成果は毎年2月に開催する「探究科学研究発表会」にて発表します。平成23年度には、文部科学省から「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」の指定を受けたのをきっかけに、新たに「スーパーサイエンスコース(SSコース)」(定員40名)を開設し、より充実した体験重視型理数科教育プログラムを進めています。このSSコースには、従来の「探究科学」の内容をパワーアップさせた「スーパー探究科学」、紀伊半島の自然を題材とした「スーパーフィールドワーク」など、5つの科目を新設しました。さらに今年度、青翔中学校が併設され、6年間を通した理数科及び英語の教育プログラムがスタートしました。?協定の概要本校は、去る5月1日に理数教育研究センターとの連携に関する調印式を行わせていただきました。その概要を分類すると以下の3つになります。まず、1つ調印式目はSSHに関わる連携です。先ほど述べました「スーパー探究科学」についての生徒の研究活動に対する大学の先生方や大学院生の方による専門的な立場からの指導・助言、「スーパーフィールドワーク」等での大学の先生方による講義・実習をお願いしております。2つ目は、併設中学校に関わる連携です。中学校では7時間目に、本校独自の取組である「青翔タイム」という発展的な学習の時間が設けられています。この取組の中で、統計に関する学習を行うにあたってのカリキュラム作り等に関する指導・助言をお願いしております。また、来年度には中学生の研究室体験も始めたいと考えております。3つ目は、教員間の交流です。大学の先生方からは専門的な内容についての話題提供、高校の教員からは教育現場における情報提供や学生さんの教育実践・調査研究の場の提供をしていこうと考えております。?実施事業今年度の連携事業の中で、本校のSSコースの1年生対象の科目である「スーパーフィールドワーク」について紹介したいと思います。この科目は臨海実習・林間実習・地学実習の3つの野外実習からなり、夏期休業中に集中して授業を行っています。この内、林間実習と地学実習で奈良教育大学の先生方にお世話になっています。林間実習では、生「スーパーフィールドワーク(地学)」にて物の菊地淳一先生に講師をお願いし、大台ヶ原の植生や野生動物についてのご指導を受けています。(今年度は、道路通行止めのため、和佐又山に行き先を変更しました。)地学実習では、地学の和田穣隆先生に講師をお願いし、1泊2日の日程で、三重県松阪市飯高町の中央構造線露頭や吉野郡川上村の枕状溶岩、天川村洞川の変成岩や鍾乳洞等を見学し、最後に吉野川で川原の石の観察をしています。いずれの先生方も、生徒の質問を丁寧に受けてくださり、生徒達も自然に対する興味が大いに深まったようでした。青翔高校担当教員の声山田隆文先生奈良教育大学の先生方は、ご多忙にも関わらず、本校からの多種多様な要望にも親身になってご対応くださいます。SSH運営指導委員をお願いしている長友学長や数学の花木先生はもちろんのこと、「スーパー探究科学」等の授業でお世話になっております先生方には大変感謝しております。お陰様で多くのグループが各種学会のジュニアセッションで発表できるようになり、松山先生、常田先生、片岡先生にご指導を受けたグループが日本物理学会ジュニアセッションで奨励賞を受賞いたしました。奈良市と御所市とでは物理的な距離はありますが、それに負けないように連携をより強固なものにしていきたいと思います。今回私は、公益財団法人統計情報研究開発センターが行っている統計グラフ全国コンクールに作品を出品するまでの指導を行いました。生徒たちが自ら問題を見つけ、自ら解決するための計画をし、自らデータ収集をし、そのデータを分析し、結論を出すといった、生徒たちが主体的に活動できるよう計画し実践を行いました。そうすると、一人ひとり個性的な意見や考えを出し合ってくれました。その中で、私は自分が予想しているよりも、生徒は多様な考えを持ち、柔軟な発想で課題を見つけてくることを知り、生徒が見つけてきた課題が適切な難度なのか、実現可能なものなのかということを判断することの難しさを学ぶことが出来ました。大学院修士課程教科教育専攻2回生たなかりょうさん田中遼9_AUTUMN 2014ならやま