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概要

ならやま2014秋号

ラボ・レター─学生による研究室紹介─学校教育教員養成課程伝統文化教育専攻文化遺産教育専修(改組前:総合教育課程文化財・書道芸術コース文化財造形専修)造形芸術学やまぎしこう山岸公基研究室き教育学部総合教育課程文化財・書道芸術コース4回生すぎうらこうすけ杉浦幸佑さんF rom私立近畿大学附属高等学校出身山岸研究室紹介私が所属している研究室は造形芸術学研究室、通称山岸研です。研究室の先生は山岸公基先生といい、仏像の研究を主に行っておられる先生で三度の飯より仏像が好きな方です。そんな山岸研ですが、特徴として3つのことを挙げることが出来ます。膨大な数の本まず1つ目は膨大な数の本があります。研究室に入るとまず目に飛び込んでくるのはたくさんの本です。先生が仏像の研究をなさっているので、仏像関連の本ばかりかと言えばそうではありません。仏像関連の書籍もありますが、他の絵画や彫刻といった書籍もあるほか、海外の文化財の資料も豊富にあります。そのため、山岸研の研究生の卒業論文、修士論文は必ずしも仏像に関わっているわけではなく、その内容は多岐にわたっています。また論文も豊富に揃っており、文化財の研究を行うにはまさにうってつけの環境であると言えます。所属学生の多彩な出身地つぎの2つ目は研究生の出身地が全く異なることです。文化財系の専修では全国各地から奈良教育大学に勉強しに来ている方たちが多くいますが、山岸研は特にその特徴が色濃く出ていると思います。具体的には奈良県はもちろん、大阪府、岐阜県、長野県、富山県、そして中国と研究生の出身地が全員異なります。そのため、それぞれが自分の地域の文化財について知っているため、書籍に含まれていないような内容や知識を得ることができます。特に現在は、中国人の方が在籍しているため、中国の文化財だけでなく語学や文化などを教えてもらうことができ、異文化交流を行うことができます。出身地が異なることはその人の持つ価値観も異なっているので、自分の持つ考えだけでなく他人の考えも受け入れる姿勢を養うことにもつながっています。所属学生を魅了する山岸先生最後の3つ目は山岸研の先生である山岸公基先生です。冒頭でも述べましたが山岸先生は仏像の研究をなさっています。先生の日常は授業に出られるとき以外は常にコンピューターや書籍と向き合い研究に没頭していらっしゃいます。一見すると研究しか興味がない教授のように感じるかもしれませんが、全く違います。研究生の卒業論文や進路については本当に親身になって相談に乗ってくださり、常に的確なアドバイスをしてくださいます。そんな訳で研究生から絶大な信頼を得ているのがこの山岸先生なのです。先生が研究生から好かれる理由としてはもう一つあり、先生自身が研究室の飲み会の際に料理をふるまってくださることです。パスタやポトフ、ローストチキンなど多彩なレシピを持つ先生が作る料理はまさに絶品の一言に尽きます。つまり、山岸先生は研究生の心だけではなく、胃袋も魅了しているのです。かとう●加藤え永卒業論文のテーマり梨さん『「羂索」の本質と歴史』不空羂索観音菩薩、不動明王の持物として知られる羂索。衆生をもれなく救済するとされる羂索が、インドにおいてどのような存在として誕生し、どのような歴史を経て日本に伝わったのかを探る。しまかわおりえ●島川織恵さん『絵馬の研究』絵馬の起源、変遷から画題と形状までを体系的に研究し、絵馬の芸術的価値を探求する。美術史、考古学、民俗学などの分野も参考として総合的に研究する。『中国における月兎図様の変遷とその伝播』月中に兎が住むと言う中国の民俗伝承を元に、絵画や古墳壁画に描かれた月兎が時代と共にどのように変化していくかを取り上げました。また、月兎の変化する背景を探るため、民俗学の分野からも研究を進めています。教育学部総合教育課程文化財・書道芸術コース4回生よこい横井まどかさん私立上田西高等学校出身13_AUTUMN 2014ならやま