ブックタイトルならやま2014秋号

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概要

ならやま2014秋号

特集奈良県教育委員会と奈良教育大学の連携・協働による教員づくりのアシスタントも必要になります。長友子ども同士での撮影も可能ではないかと思います。また、本学では、現場でのICT活用を支援するためにICT支援員を雇用していますが、ICT支援員として活動できる学生の研修も進めています。ICTに特化したスクールサポートのようなことも可能になると思います。今までの授業を変えるのではなく、今までのアナログの授業にいかにデジタルを組み合わせるかということです。授業の仕方は基本的には同じです。吉田現場の教員は、年齢層が高くなるほど、今までの授業スタイルが大きく変わるということで、ICTの導入に抵抗を感じる人が多いようです。教育大の学生さんには、授業の中でICTをフルに活用できるような教員になってもらう必要がありますね。長友これから本学を卒業して教員になる学生たちには、電子黒板を使える力量を十分につけてから卒業させたいと思っています。──教職大学院をどう展開していくかは、本学にとって大きな課題なのですが、教職大学院がどういう学ぶ機能を持てればよいでしょうか。授業の充実のために役立つ研修を吉田現場の教員は、日々行っている授業をおもしろくするような研修を望んでいるのではないかと思います。アンケートをとってみても、指導方法や教材開発へのニーズが高いです。長友そうですね。私もアンケート結果を見せていただきましたが、経験年数に関わらず指導方法や教材開発のニーズは高いですね。教職大学院でスクールリーダーの養成といったときに、やはり中堅どころの教科指導のリーダー養成にも力点を置く必要があるのではないかと、思っています。吉田私も同感です。若手教員が中堅教員に日常的に相談することとしては、保護者対応COLUMN奈良県教育委員会と本学は、連携協力の円滑な実施を図ることを目的に、平成15年度から「連携協力に関する協議会」を毎年開催しています。この協議会では、連携の現状やそれぞれの取り組みに関する報告、教員養成・教員採用についての情報交換などが行われます。またその下に連絡部会を設置し、日常的な連携協力の促進のために連絡調整が行われていまや学級経営という話もありますが、一番多いのは授業をどのように工夫しているのかとか、どう教えているのかということです。授業力の高い教員というのは、先ほどの原点に戻りますが、おもしろい授業ができる教員ということですね。長友本学には修士課程もありますが、修士については、先ほど言いました余計なことも知っているとおもしろくなる、教科の内容を深く知っていれば授業がおもしろくなるということに関係してきます。今まで修士では、それを座学中心にやってきましたが、今後は実践も入れていきます。教科は教科内容学を徹底したらどうかと思います。大学の教員の専門分野を小学校や中学校の教科の中にどう落とし込むことができるかということが大学教員の仕事だと思います。現場の教員が苦手分野をハードルを越えて教えることができるようにするには、これが必要ではないかなと思います。吉田教職大学院には、想像力を育てるという役割も担っていただきたいと思います。想像力は非常に大事で、教員にそういう話をしています。先ほど話がありましたように、国語を教えるのが難しいという理由、原因にはその教員たちが想像力を欠いているということがあるのかもしれません。想像力豊かな子どもを育てるべき教員に想像力が欠如していたら、これはもってのほかです。知識をもっているだけの教員には魅力がありません。想像力がある教員が魅力のある教員です。今の教員に想像力が欠如しているという実態があるのならば、教材や指導方法というスキルよりも、特に小学校の教員に対して、想像力を高めさせるような教職大学院であって欲しいと思います。長友子どもからみれば、想像力豊かな教員はオーラがあるように見えます。言葉の端々にそれが見られます。しかし、そのような話は、中教審の答申や協力者会議、ワーキンググループなどの中では出てきませんね。それに関連すると思うのですが、本学で実施している取組で、良いなと思っているのが、ケーススタディです。これは、教科の指導ではなく、例えば、「クラスでAくんとBさんが問す。さらに個別の事案については、専門部会が設置されています。現在「英語教育の充実」についてと「教員のICT活用指導力」についての専門部会において、より具体的な話が進められています。これらの場を活用し、さらに有益な連携となるように検討を進めています。題を起こした。そうしたらAくんのお父さんが直接校長にクレームをつけました。この場合、あなたはどのようにしますか」という議論を、学校現場での経験豊富な本学教員が講師となって行っています。これはとても大事だと思っています。スクールサポートなどで学校現場に入った経験のある学生は、そういう場面に出会うかもしれませんが、そうでない学生は、それこそこういう場面を想像できません。吉田学生が、それらのケースを想像し、意見を出し合いながらさまざまな対応方法を検討し、一番良い解決策を探ることができれば、良いでしょうね。長友議論の中で出てきた対応方法については、そういう対応をするとこのような問題が起きるというような指導を行い、正解を一つにはしていないようです。この方法は、議論を進める中で想像力を養うことができると思っています。ケースメソッドの授業を聞いていて感じるのは、学校という組織で教員として働くには、管理職とのやりとりを気にしないといけないし、子どもの後ろにいる保護者のことも念頭に置きながら子どもと接する必要があり、子どもが好きというだけでは教員にはなれない。吉田子どもが好きというだけではだめですね。私は「子どもの不可能を可能にしてあげるのが教員だ」と、「できないことをできるようにしていくのが教員だ」と常々言っています。教員はそこを絶えず意識している必要があります。「子どもをどうしたいのか」ということをしっかり考えながら行動できる教員でないといけないと思うんです。長友教育長が言われた言葉で、とても共感したものがあります。それは、「教える者は、教えることの専門家であると同時に、学ぶことの専門家でもあらねばならない。」ということです。それは、本学で取り組んでいる「地域と連携した『学ぶ喜びを知り、自ら学び続ける』教員の養成に向けた持続可能な発展のための教育活性化プロジェクト(学ぶ喜びプロジェクト)」につながってきます。吉田それに関連する事例ですが、冬季オリンピックで御所の子どもがメダルを取りましたが、この話をホームルームでどう展開させるべきでしょうか。これもケーススタディなんですが、喜びを共有しようと拍手させる教員もいれば、何もしない教員もいるかもしれません。しかし、ホームルームであの喜びを共有しないで、何も話さずに別の話をしているという担任であるよりも喜びを共有する担任の方がより良いと思います。5_AUTUMN 2014ならやま