ブックタイトルならやま2014秋号

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概要

ならやま2014秋号

奈良県教育委員会と奈良教育大学の連携・協働による教員づくり特集長友学級経営もマニュアル本でいったらいけないということです。子どもの心にどう響くかなんですね。学び方を学生時代に身に付けてそれを続けていく素質みたいなものを身に付けてもらいたいと思っています。吉田そうです。どう響かせるかなんです。学ぶことの専門家、学び続けると言っているのは、オリンピックのような世間の関心事についても、学び続ける必要があるというのが私の思いです。長友型にはまった行動をするのではなくて、いくつになっても教員として感性をもっていないといけないですね。吉田教科の学びはもちろんのこと、世間の関心事に対して、無関心でいるような教員ではなく、多くの日本人が関心をもっていることに対して関心をもって、それを子どもに伝えるか伝えないかということも含めてしっかり判断ができる教員になってもらいたいと思います。長友教職大学院では、毎年夏に十津川村で村内の小学生を対象にサマースクールを実施しています。また、理数教育研究センターが曽爾村でサマースクールと冬の勉強会をやっています。曽爾村のサマースクールは、どの専修の学生も参加できるのですけれども、学生に企画をさせて、8月の終わりくらいに3泊4日で行きます。私も2回ほど見学に行きましたが、学生達が大学にいるときと顔つきが違うんです。明るいし、楽しそうにやっています。ああいう体験が、重要なんだなと感じました。やはり座学だけでやっているのとは全然違います。こういうことが、学び続ける教員として、例えば、30代、40代になったときに、そのときの経験を思い出してもらったらいいなと思いますね。大事なのは、教職大学院の十津川村も理数センターの曽爾村も、学生達に企画させるということです。それが大事だと思います。吉田大事ですね。学生に企画させるのはね。長友企画して、教員から「これは、中学校の1年生だったら、まだ教科書に出ていないのでは?」というところから指導が入るんです。そうすると、そういうことを組み立て直し、模擬的に自分達でもやってみるんです。これがとても力がつきます。これが学び続ける第一歩ではないのかなと思います。吉田教育大全体で学び続ける教員を養成するということですね。長友「学ぶ喜びを知り、自ら学び続ける教員」ですね。つまりこれは、大学を出ても、いつまでも感性を持って学ぶという姿勢を続ける、学ばないといけないから学ぶのではなくて、吉田教育大の学生は、教員として採用されて、奈良県の教える専門家として、リーダー的な役割を果たしていただかないと困りますね。また、県教育委員会としては、教育大で学ぶ姿勢を身に付けた学生が採用されてからも学び続けることができるように、教員を支えていきたいと思います。教職大学院での研修が一つの選択肢となるわけですが、「教職大学院は自分が学び続けたい学びに対して応えてくれる場、力を付けてくれるような場である」ということを強調した方が、教員はより行きたくなると思います。小学校の現職教員が教職大学院へ行き、2年目は学校と研究所で研修する。「学び続けたい学び」が、何になるかというのは、小学校の教員では、場合によっては国語の指導方法ということになるかもしれませんが、教職大学院は関心をもっていること以外でも学べたり想像力を育てたりするところであって欲しいと思います。想像力を育てるということは、大学院だけでなく、県の教育研究所の中でもやらないといけないのかもしれませんね。長友そのような役割を果たせるように頑張ります。何を頑張れば良いのか、こういう機会を設けて情報をいただき、効率の良い頑張り方をさせていただければと思います。吉田そうですね。連携はより具体的な段階に長友これまでは、現場の学校ではこういう力をつけて欲しいだろうなという推測を基に教育をしていました。しかしこの数年で、県教委と本学との協議が実質化してきましたので、これからはニーズを具体的に把握して、それに大学がどう答えられるのか、そこのところがこれから実質的にできていくようになるのではないかと、そういう段階に来ていると思います。吉田そうですね、その段階に来ていますね。教育研究所では、研修の中身自体を副所長の方で、ある程度整理をしながら、何を中心に研修するのかを検討しています。その中で、また連携させていただきたいですね。今だとICTの分野や外国語活動の分野でどう進めて行くのかについて、ありがたいことにお互いに部会をもって話合いがされていますよね。長友冨岡前教育長と初めてここでお目にかかった時に、「今まで本学の教員が一本釣りで委員や講師になっていますが、教育委員会とつねと奈良教育大学長長友恒人奈良教育大学教授、奈良教育大学副学長(研究担当)などを経て、平成21年10月に奈良教育大学長に就任。専門は文化財科学、物理学。大学として組織対組織で連携したい」という話をしたのを覚えています。教育委員会としてこのような研修を計画しているので、こういうようなことができる、講師になれる教員はいないかという連絡をいただき、それならこの人が適任だと応じられるというやりとりをイメージしていました。それが今形になってきたなと感じますね。そういう方向で、現職の研修、教師教育について、今までは大学がどれだけお手伝いできるかという発想でしたが、一緒に現職研修を考えましょうというところまで来ていますね。逆に、大学の教育内容についても、いろいろと注文をつけてください。全部はすぐには答えられないかもしれませんが、大いに参考にさせてもらって変えていきます。そして、それを地域の子どもたちに還元できればと思います。吉田そうですね。やはり子どもたちに奈良県の小学校へ行って楽しかったと感じてもらい、どんどん学ぶ意欲が引き出されれば良いなと思います。長友ながとも最初のところに戻りますよね。子どもたちが、「今日学校で何があるんだろう。」と学校を楽しみにして行くと授業がおもしろいと。大人になって自分に子どもができるような年になったときに、「子ども時代は楽しかったね。」となるような、そういう学校であると良いですよね。──お忙しいところ貴重な時間をいただきありがとうございました。AUTUMN 2014ならやま_6