ブックタイトルならやま2014秋号

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概要

ならやま2014秋号

羅N針伝統文化あふれる奈良W盤E奈良教育大学の取り組み奈良県の特色校である奈良県立山辺高等学校、青翔中学校・高等学校と理数教育研究センターが連携協定を締結。地域や中学校とも手を携えた高大接続事業が本格的にスタートしました。S理数教育研究センターと県立中学校・高校との連携について理数教育研究センターは、平成26年4月2日に奈良県立山辺高等学校と、5月1日に奈良県立青翔中学校・高等学校と相次いで連携協定を結びました。既にこれまでに行ってきた連携を、一層、充実・発展させることが大きな目的です。山辺高校は、進学だけではなく生活文化、生物科学に特色を持つ高校で、地域の小学校や中学校で高校生が理科実験講座を開くなど積極的な活動を行っています。一方の青翔高校は、全国初の理数科のみの高校として発足しSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の指定を受け積極的に理数教育に取り組んでいます。平成26年度からは、県立の青翔中学校が併設され、今後の発展が期待されています。理数教育研究センターは、平成17年度から文部科学省の支援を受けて開始された一連の理数プロジェクトの拠点として設置されました。20数年来、警鐘が鳴らし続けられている理数離れを抜本的に打破するためには、優れた理数系教員の養成こそが最重要課題であるとの見地から、約10年にわたって理数プロジェクトを推進してきました。今回、奈良県教育委員会の強力なバックアップの下、これらの理数特色校、センターが連携協定を結ぶことで、今後、組織的に事業を推進する環境が整いました。今後の展望高校生、中学生への学習支援、現職教員への支援、本学学生の実践的活動など、今現在、いくつもの連携活動が同時進行しています。学校教育現場との連携でありがちなのは、単発的で一過的な出前授業などに終わってしまうことです。本学の理数プロジェクトでは、発足当時から、継続的な連携の積み上げ(高大融合)を重視してきました。今後、絶えずフィードバックを重ねて、事業内容をより良いものに発展させるべく努力して行きたいと考えています。山辺高校とは、幼・小・中・高・大を貫センター長からのメッセージ理数教育研究センター長教授松まつやま山とよ豊樹奈良は、言うまでもなく日本の伝統文化のふるさとであり、その一部は、世界遺産としても世界に向けて存在感を示しています。もちろん、それらは最初から遺産になるために生まれたわけではないでしょう。日本の創成期、激動期に大きな役割を有形・無形で果たして来たのです。一方で、今、我々は、大きな変革期にいると言って良いでしょう。理数離れ、少子高齢化、限界都市、地域力の消滅など、課題は山積しています。大した資源も持たない中、我々の宝は人材です。人材を育てる、人材を育てる人材を育てる。理数教育研究センターは、これまでにも、あまり前例のない斬新な連携協力関係をいくつかの教育・研究機関と築いてきました。伝統と文化に囲まれたこの奈良の地に、地域と共に力強い教育力の発信拠点を築く。人材育成・教育は、10年先、50年先、100年先に花開きます。伝統と文化の中で悠久の時間が流れる奈良でこそできることかもしれません。く地域ぐるみの連携を構想しています。少子高齢化が急速に進む中、地域と学校の関係は今後ますます重要になるでしょう。そのモデル事業になることを願っています。青翔中学校・高校とは、公教育の場での中・高一貫の可能性が重要となって来るでしょう。我が国の学制のありかた自体が、今大きな岐路に立たされています。その中で、一つのパイロット・プランの提示が、一つの大きな目標になり得るでしょう。もちろん、連携事業は、まだ始まったばかりです。着実に、歩みを進めて行きたいと思います。き7_AUTUMN 2014ならやま