ブックタイトルならやま2014秋号

概要

ならやま2014秋号

から世界に羽ばたく科学者を！?学校紹介本校は、奈良市の東部に位置する大和高原の中心にあります。標高500ｍの立地条件のため、１年を通して奈良盆地より気温が3～5度低く、夏は涼しく過ごしやすい気候ですが、冬は寒さが厳しく、年に数回の積雪があります。周囲を山に囲まれ、緑豊かな自然の中にある学校です。奈良県立山辺高等学校本校は、「夢と創意に満ち、個性きらめく学校づくり」に努め、教職員の英知を結集して、確かな学力、豊かな人間性、たくましい心身や社会感覚をバランスよく備え、将来、社会に貢献できる「生きる力」をもった人材の育成を目指しております。生徒の行動指針として、「しっかり勉強きっちり行動はっきり発表」を示しています。平成25年度入学生より学科改編を行いました。大学・短大・専門学校への進学を目標にした普通科「学びの開拓コース」、そして、家庭科、情報・商業系の科目を学習できる普通科「生活文化コース」、加えて、作物・草花・造園について学習する植物類型と愛玩動物の飼育について学習する動物類型がある「生物科学科」です。これまでの、17年間にわたる総合学科の取り組みを資源として更に新たなステージに歩みを進めています。?協定の概要奈良教育大学が実施している「理数プロジェクト高大連携事業」を推進するため協定を締結しました。主として理数教育に関わる「教員養成のための大学生への教育実践指導」や「高校生への学力支援」の他に、特に今回の事業では、山辺高校を拠点とした旧都祁村（現在は奈良市に編入）内の幼稚園、小学校、中学校との連携への支援を謳っています。つまり視点を変えれば、幼・小・中・高と見通しを持った理数教育の構築を目指したも調印式のとなっています。?実施事業山辺高校を会場とした講習会「キノコを通して菌類をもっと知ろう」（H26.7.12）を実施しました。奈良教育大学より菊地淳一先生および大学院生をお招きし、キノコの特徴や生物としての位置づけなどの内容で講義を受け、本校の敷地内に生えるキノコの採取や同定、本校の無菌実験室を利用した菌床瓶へのシメジの種菌の植え付けやクヌギのホダ木にシイタケの種菌を打ち込む実習を行いました。本校生の他、地域の小学生も参加し、普段我々にとってなじみの薄い菌類について実際にその生態や利用について知識を深めました。（なお、今回の講習会の中で、奈良教育大生が卒論テーマにしていたキノコが見つかり、後日、研究調査に来られました。）このように山辺高校を会場とした講習会では大和高原の自然を生かして生物的な内容（キノコ・昆虫・野生動物）で実施していただいております。また、小・中学校への出前授業の実施に際しては内容についてのご指導や、物理化学の実験器具の借用をお願いしております。「キノコを通して菌類をもっと知ろう」にて中井政治先生私自身、高校と大学の架け橋の一端を担わせていただくことを大変光栄に思っております。大学が持っておられる知的財産を、山辺高校や地域の幼小中学校が活用させていただき、よい意味での大きな刺激となっております。奈良教育大学が既にお持ちの研究フィールドに是非、山辺高校や地域の幼小中学校を加えていただけたらと願っております。まだまだこの地域にも多くの教育研究課題があるように思えます。私は現在奈良教育大学で、夜間の院生として国語教育研究室で「あらゆる教科の学習の基となる言語能力の効果的な育成方法」というテーマで勉強させていただいております。多くの教育大の学生が、私どもの学校現場に飛び込んで来てくれることを期待しております。大学院修士課程教科教育専攻1回生むらた村田山辺高校担当教員の声さ沙や耶山辺高校の生徒だけでなく、地域の小学生や保護者の方、ほかの高校の生徒が参加するにぎやかで楽しい授業でした。山辺高校の広大な敷地と整った設備を活用し、無菌培養や昆虫の標本作りを行い、子ども達にとって初めての体験が多かったのではないかと思います。作業に緊張したり、夢中になったりする子どもの姿を見て「本さん物」を教える必要性と醍醐味を知ることができました。少しの興味ときっかけさえあれば身の回りを丁寧に観察するだけで、不思議を感じたり、発見したりすることができることを学びました。AUTUMN 2014ならやま＿8