ブックタイトルならやま2015春号

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概要

ならやま2015春号

クローズアップ韓国での研究報告の様子イギリスの学校の生徒が作成した公正な貿易(フェアトレード)についてのまとめイギリスの学校の生徒が作成した人権についてのまとめ今の私の研究の原点になっています。大学・大学院では、グローバル化と教育の関係について学びました。グローバル化とは、人・モノ・情報などが国境を越えて行き交い、様々な領域の問題が地球規模に拡大している事態を指します。例えば、親が仕事を求めて国境を越えて移動し、異なる国の教育を受ける子どもの数が増えるというのもグローバル化の現象の一つです。私は、このような社会の変化に対応した教育とはどのようなものかと考えるようになりました。確かに、英語など外国語を話せるようになることも重要だと思います。しかし、本当にそれだけでしょうか。語学力に加えて、どのような力を子どもたちが身につける必要があるのか、そのために何を教えていけばよいのか、これが私の研究テーマです。研究へのアプローチグローバル時代の教育について考えるため、私は、ヨーロッパの教育を研究対象としています。ヨーロッパ評議会という、ヨーロッパ連合(EU)に似た組織があります。この組織は、第二次世界大戦後、教育を含む、人権、民主主義、法の支配の分野で加盟国間の協力関係を拡大することを目指して設置されました。現在は47か国が加盟しています。ヨーロッパ評議会では、広くヨーロッパあるいはグローバル社会に生きる市民を育てる教育(市民性教育)のプログラムをつくっています。これについて学ぶ切り口として、私は、教師が授業を作る時に参考にする主要な資料である指導書・教育計画(カリキュラム)に注目しました。そこには、プログラムの基本的な考え方が表れていると考えたからです。カリキュラムを分析する中で、ヨーロッパ評議会の市民性教育の特徴としてわかったことを3つ紹介したいと思います。まず、多様な文化を持つ人々が、自分たちの文化を大切にしつつ、共に暮らしていくための力を身につけることが重視されていることです。ヨーロッパでは、移11_SPRING 2015ならやま