ブックタイトルならやま2015春号

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概要

ならやま2015春号

どんな授業?小学校教員免許状を取得するための必修授業科目です。この授業では、図画工作科の特性からみた指導法だけでなく、学習指導案の書き方・板書の方法・発問や子どもの意見を全体に生かす方法なども学びます。扱っているのは図画工作科が中心ですが、それを通して「一斉指導とは何か」ということについて考える機会を提供しています。そして授業の中では「描くこと・作ることだけが美術的活動ではない」ということを強調しています。私たちの日常、特にファッションの領域では「服の色を選ぶ」「髪の形をつくる」という大切な美術的活動があります。好きな形や色を取り入れて、楽しい生活を送ることができる大人になってもらうことも、図画工作科がねらいとしている最終的な目標かもしれません。この授業でもそのような価値を受講生のみなさんと共有することを目指しています。●授業時間:90分●大講義室で110人程度の受講生●2回生時(初等)の必修授業受講生の声写真左:教育学部学校教育教員養成課程教科教育専攻理科教育専修2回生あたらし新ま真お緒さん奈良県立青翔高等学校出身写真右:教育学部学校教育教員養成課程教科教育専攻理科教育専修2回生す鷲み見やす寧こ子さん私立浦和明の星女子高等学校出身竹内先生の授業では作品を作って相互評価をしたり、正倉院展でフィールドワークを行ったりするなど、座学以外の活動を多く行いました。一番印象に残ったのは、正倉院展に展示してありそうな「謎の生き物」の水彩画を描く活動です。実際にはいない生き物を想像し、絵に表すことで、子どもと同じ視点に立って活動をみることができました。例えば、絵を描き続けていると、失敗してしまったり集中力が途切れてしまったりする場面があります。そんなときにどんな声掛けをすればいいか、どのような支援をしたらやる気を引き出せるのかを考えることができました。この授業を通して、学習指導要領を読むだけではわからなかった図画工作を指導する上で大切なことを学べました。第11回~第14回模擬授業の実施と考察各グループが4週にわたって15分程度の模擬授業を行います。扱うのは題材の「導入」部分ですが、黒板や書画カメラを使って学習のねらいを伝えたり、技法についての指導を試みたりします。模擬授業後は授業者、児童役、それぞれの立場から批評を行い、自身の授業に取り入れたい点や改善点について話し合います。第15回総括半年にわたって学んできた「初教法(図画工作)」もいよいよ最終回です。すべての児童が、形や色に関するよさや美しさを感じることができる授業を展開することができるような、指導のあり方について考察します。この総括を通して、15回のまとめを行います。受講生の声教育学部学校教育教員養成課程教科教育専攻美術教育専修2回生ひがきなお檜垣直さん兵庫県立北摂三田高等学校出身私はこの講義を通して、図画工作科における「表現」や「鑑賞」の活動の中で引き出される児童の関心・意欲を高める工夫について多くの学びを得ることができました。この講義では、図画工作科という教科の根本のあり方から学習指導要領の内容、具体的な授業の展開方法とその指導方法といった幅広い内容を学び、模擬授業を行います。模擬授業を通して様々な視点から授業を研究し、児童の学ぶ意欲を高める指導の在り方を探る内容となっている為、知識の習得と実践の双方が充実した授業になっていました。また、実技作品や鑑賞レポートといった課題は私たち自らが制作することによって児童と同じ目線で図画工作を捉えることができました。私自身、美術は得意ですが、図画工作科は「美術の教育」ではなく「美術による教育」であるため、美術のスキルとは別の「図画工作科のスキル」が必要とされます。そういった私たちがこれから迎える教育の現場で必要とされる多くの知識、体験をこの講義を通して学ぶことができました。担当教員より学生へのメッセージみなさんが小学生のころ、はじめて絵の具セットを手にした日のうれしさを思い出してください。緊張しながらはじめて彫刻刀にさわった日の授業を思い出してみてください。今でも図工室にいる子どもたちの笑顔は、ワクワクやドキドキでいっぱいです。私が担当している授業科目「初等教科教育法(図画工作)」では、教員を目指すみなさんと楽しい授業をつくるための方法を考えています。まずは、自分自身が楽しいと感じることを教材研究の中から見つけ、それをどうやって子どもたちに伝えるのかについて、いっしょに考察していきましょう。みなさんの受講を待っています!SPRING 2015ならやま_16