ブックタイトルならやま 2015秋号

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概要

ならやま 2015秋号

クローズアップEtO 2 CCO 2 Et1)MX nEtO 2 CCO 2 EtOY1Y=O, NR2)H 2 OX=Cl, Br,lOY2XMX n =TiCL 4 ,TiBr 4 ,AlCl 3 ,AlBr 3 ,FeCl 3 ,Znl 2(図4)アルケニルエステル、アミド誘導体のハロゲン付加的環化反応(図5)2次元NMR(核磁気共鳴)NOESYスペクトル私たちは、図4に示した新しい反応を開発しました1。1970年代のSnider、Roushらによる先行研究2では、特定の物質に限られ、また当時の機器分析の技術では立体的な構造がわかりませんでした。生成物2の立体的な構造は、NOE(核オーバーハウザー効果)から推測されます(図5)。その結果、立体的な構造は、シス型ではなくトランス型であることが予測されます。また図4の反応は、シス型ではなくトランス型で選択的に進行し、一般性が高いことがわかりました。また、生成物2がシス型ではなくトランス型が得られることなどを説明するため、反応機構を計算化学を用いて考察しています(図6)。最近、本反応は少量の触媒を使うことによっても反応が進行することがわかってきています。以上、高い反応性をもつエテントリカルボン酸誘導体を利用した効率的な反応による有用物質の合成を行ってきました。エテントリカルボン酸誘導体の高い反応性、容易に多様な物質が合成できる、複数の反応部位をもつなど特徴を利用し、さらに新規の効率的な反応が開発できると考えています。研究設備ロータリーエバポレーター(図7)は、有機溶媒を除去するために用いる蒸留装置です。真空度はモニターで確認でき、調節も可能です。ドラフトチャンバー(ドラフト)内は常に排気されており、試薬類を安全に取り扱うことができます。通常の有機合成反応、悪臭や毒性のある試薬の取扱はドラフト内で行います。核磁気共鳴装置(NMR)(400MHz)(図8)は、化合物の構造決定に(図6)アリルエステルの環化の予想反応機構とモデル化合物の密度汎関数による最適化構造(B3LYP/6-31G*).7_AUTUMN 2015ならやま