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概要

ならやま2016春号

F rom教育学部学校教育教員養成課程教科教育専攻数学教育専修4回生かわぐちようすけ川口洋介さん大阪府立交野高等学校出身ラボ・レター─学生による研究室紹介─学校教育教員養成課程教科教育専攻数学教育専修数学教育学ふなはしゆか舟橋友香研究室舟橋研究室の紹介数学教育専修には、代数学、解析学、幾何学、応用数学、確率論・統計学、数学科教育のそれぞれの専門の研究室があります。2回生の末に所属する研究室が決まり、3回生から研究室ごとでゼミを行います。私が所属する舟橋研究室は、数学科教育を専門としています。数学科教育は、代数学、解析学などの専門的な数学を学ぶ分野とは少し違い、主に算数・数学が子どもにどのように作用するのかを考える分野です。例えば、子どもの思考の分析を活かした指導方法の改善や提案に関する研究、問題を通して子どもにどのような力が身に付くかに関する研究などをしています。舟橋先生は、ゼミの場では「1人の研究者」として私たち学生に対して厳しくご指導を与えてくれますが、研究に悩んだときには「学生を育てる1人の教員」として親身になって助言を与えてくれます。そしてどんなときも優しさがあり、その優しさが時には「お母さん」のように感じることもありました。ゼミでは、基本的に希望する研究テーマを自分で選択することができ、テーマに沿って調べてきたものを発表します。そして、発表に対しての意見や指摘、アドバイスなどをいただきます。舟橋研究室のゼミは、3、4回生合同で行われているので、様々な観点からの意見が飛び交い、多くのことを学ぶことができます。舟橋先生からは、研究についてのご指摘以外にも、最近の教育内容に関する話題を紹介していただき、それについて皆で考えたり、意見を交換したりしています。先輩後輩関係なく、研究をする立場から様々な意見を交換し合い、教育について深く学び合える研究室となっています。卒業論文テーマとその要旨方程式の文章問題における立式の困難点の特定とその解消方法私の研究では、全国学力学習状況調査における生徒の方程式の文章問題における立式の困難点に関する理論的考察、及び質問紙調査、インタビュー調査において生徒の立式における思考過程を調査し、生徒が立式の困難点を解決するために有効な指導方法を提案することを目的としました。まず、方程式の文章問題における立式の困難点を解決するための思考は、四つに分かれることがわかりました。一つ目は「数量の関係の整理という思考で、問題文の数字を整理したり、求めるものは何かを整理すること」、二つ目は「表現方法の転換と教育学部学校教育教員養成課程教科教育専攻数学教育専修4回生まつもとあつし松本淳志さん大阪府立八尾高等学校出身いう思考で問題文の数量や状況を整理する際に、絵、表、図を用い表すこと」、三つ目は「具体的なシチュエーションの想起という思考で、問題文の内容や計算がわからない時に、具体的な場面や数字をイメージすること」、そして、四つ目は「方程式モデルの選択という思考で、整理した内容をもとにどの方程式で立式するかを選択すること」です。この四つの思考を大切にすることが重要であると考えます。次に、質問紙調査やインタビュー調査を行うことで、生徒は四つの思考の中でも、表現方法の転換の思考を活動と立式との関係が理解できず、立式できていないことが明らかになりました。そこで、この結果に関連する教科書の記載部分の分析を行うと、教科書における指導方法が各社で異なっていることがわかりました。これらの結果から、表と式との関係性を指導するということを連立方程式の活用において統一することで、より生徒の立式の困難点を解決できると考えました。その上で、方程式の文章問題を解くための四つのポイントを含んだワークシートを作成し提案しました。13_SPRING 2016ならやま