ブックタイトルならやま2016春号

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概要

ならやま2016春号

どんな授業?この授業は、教育学部英語教育専修専門科目「異文化理解研究」と留学生科目「現代日本論」の合同開講授業です。留学生と国内学生。共に同じキャンパスにいて、お互いにどんなことを考えているのか…気になりながらなかなか踏み込んだ対話ができずにいた学生たちに、授業という保証された枠の中で安心して他者を理解し、自分の中にある内なる壁と向き合ってほしい、そんな願いから生まれた授業です。文化のカテゴリーを国家の単位に限定せず、同じ国の中にも人種、宗教、出身地域、ジェンダー、障害などの差異による多様な文化があることに気づくことによって、履修生はそれぞれに自分自身の文化、あるいはアイデンティティを考えるきっかけを得ていきました。第1部(第1回?第8回)では、国内学生と留学生が段階的に異文化体験を共有したのち、第2部(第9回?)では国内学生と留学生が混合でプロジェクトワークを行い、自己と他者、そして多様な文化を理解することについて考えました。受講生の声教育学部学校教育教員養成課程教科教育専攻英語教育専修2回生ひらた平田は甲や矢の乃さん神戸市立葺合高等学校国際科出身インドネシアをはじめ、ロシア、中国など様々な国からの留学生さんと、異文化間の理解について考える授業であったと思います。この授業のおかげで新しい価値観をもつ事ができました。まず、異文化理解とは必ずしも国と国の違いに限らず、違う考えをもつ場合の相互理解と同じであること。次に、文化や言語が違っても共感し合う事が出来るということ。そして、留学生さんたちはとてもモチベーションが高く尊敬できるということです。私は高校で国際科という学科にいたので、日頃から異文化理解は大事と言われてきました。しかし、それはこの授業でたくさんの外国籍の友達ができて、初めて体感できたことでした。みなさんも温かい雰囲気の中で価値観を広げてみませんか?第2部グループワーク(第9?12回)?発表(第13?14回)?まとめのふりかえり(第15回)第1部で耕した異文化コンフリクトに関するテーマをグループの協働作業によって深める自由に選択した調査テーマについて、各グループで手分けして学内外の人にアンケートやインタビューに出かけて理解を深めていきました。時にお互いにぶつかりながら自ら行動を起こそうとする態度が多くのグループに見られました。一例ですが、国内学生と韓国留学生のグループは、日韓の互いのイメージを公的な見解の調査と自分たちの身内の人へのインタビュー調査によって整理し、両国の埋まらない溝に対する戸惑いを示しながらも自分たちがどうすべきかについて話し合いました。またインドネシアからの留学生と国内学生グループはイスラームに対する学内のイメージについての調査を行い、自らの行動を変化させる様子も観察されました。受講生の声教育学部学校教育教員養成課程教育発達専攻特別支援教育専修1回生カン康ヒジ希地さんIncheonChoeun High School出身私が「現代日本論」という授業で一番印象に残った事は最後のグループワークです。私達のグループが選んだテーマは「日韓問題について」でした。それは、日本人も韓国人もあまり触れたくない問題でした。しかし、触れたくない分だけこの問題について具体的に知っている人は私達を含め、あまりいませんでした。私達は韓国で最も注目されている「竹島、独島(トクト)問題」を中心に何年も続いている日本と韓国の対立の理由を調べました。また、韓国人と日本人、それぞれにこの問題についてどう思っていて、どのくらい知っているのかをインタビューしました。この活動で私が思ったのは、人と人、国と国がより良い関係を築いて行くには、まずお互いのことを知り理解し合う事が大切だということです。この授業では偏見を持たず自分と違うものに触れてみる機会と、そういう事について改めて考えることができました。SPRING 2016ならやま_16