ブックタイトルならやま2016春号

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概要

ならやま2016春号

教員になるための4年間の学び特集教育実践基礎演習2回生後期の「教育実践基礎演習」では、初めて継続的・体系的にリアルな学校現場の姿に迫っていきます。とくに「教育実践基礎演習」では、「現代教師論」で獲得した「教員の目線」から、子どもたちの成長や発達について具体的な事実をもとに理解を深めていきます。「教育実践基礎演習」は、翌年度の「教育実習」での実習校種によって、「幼稚園クラス」「小学校クラス」「中学校・高等学校クラス」の3クラスで展開しています。各クラスは、幼児教育、小学校教育、中等教育を専門分野とする大学教員が担当しています。また、附属幼稚園、附属小学校、附属中学校および外部の公立学校園の現職の教員も、講話や演習を担当しています。プログラムは3クラスで異なりますが、以下では小学校クラスを例にあげて、授業を紹介します。小学校クラスで学ぶ内容は、大きく3つに別れます。まず、小学生の成長発達とそれを支える教育のあ1りかたについて、附属小学校の教員が「講話」を行います(低学年、中学年、高学年、特別支援学級)。次に、講話に対応する学年の授業を附属小学校の教2室で「観察」します。ただぼんやりと授業を眺めるのではなく、観察の際は、事前に決めた観点にもとづいて、詳細な観察記録を取ります。そして、観察した事実に基づいて、授業における子3どもと教員のありようについて「研究」を行います。8名程度の小グループに分かれ、自分たちが取った記録と、事前に授業担当者が作成した授業分析用の資料をもとにして、ワークショップ形式で授業の事実とその意味を深めていきます。授業後のコメントカードより3つのことを学んだ。まずは附属小学校の教育実践の考え方である。附属小学校では児童が主体という考え方で授業がされている。児童の発言により授業が進んでいたのが印象に残っている。…(中略)次に授業における児童の実態である。国語や社会などの座学は席や個人のやる気により集中度が違った。…(中略)児童が主体となる授業では興味のない内容であると学びが薄くなると感じた。最後に教師の児童への接し方である。集中度・理解度に個人差が出てしまう授業で、教師が集中していない児童を指名して発表させていたことが印象に残っている。教師の働きかけにより個人差は少なくすることができると思った。子どもたちに対して授業や保育をすることは、単純に見えて実に奥深いものです。「教育実践基礎演習」を通して、「傍観者」ではなく「主体者」として、こうした実践に関わっていくための知識と態度を身につけていくのです。SPRING 2016ならやま_4