ブックタイトルならやま2016春号

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概要

ならやま2016春号

特集教員になるための4年間の学び教育実習+事前事後指導教育大学の学生にとって最も重要な教育機会が教育実習です。奈良教育大学では、3回生に主免許(卒業要件になっている学校種の教員免許)を取得するための「教育実習」を配当しています。ちなみに、副免許(主免許以外に取得する学校種の教員免許)を取得するための「教育実習」は、4回生に配当しています。ここでは、3回生の主免許「教育実習」について紹介します。奈良教育大学は教員養成大学であり、教育実習を修了し、教員免許を取得することが卒業の必須要件になっています。このため、すべての学生は、3回生に配当されている主免許「教育実習」において、2~4週間(学校種によって実習期間が異なります)の教育実習に臨みます。原則として附属幼稚園、附属小学校、附属中学校のいずれかで教育実習を行いますが、それ以外の実習協力校に赴くこともあります。教育実習は、教員になるための学習の一環ですが、学校園の子どもたちにとっては、一回限りの貴重な教育機会です。子どもたちの成長・発達に影響を与えるため、生半可な知識・技能と学生気分の態度で子どもたちの前に立つことは許されません。このため、教育実習に臨むまでに念入りな「事前指導」を受講します。奈良教育大学では、4~7月の4ヶ月間にわたって「事前指導」を展開しています。2回生の「教育実践基礎演習」と同じく、「事前指導」も、教育実習を行う学校種によって、「幼稚園クラス」「小学校クラス」「中学校・高等学校クラス」の3クラスで展開されています。「教育実践基礎演習」では子ども理解を深めることが主な目標でしたが、「事前指導」では子どもたちの成長・発達を促すための具体的な指導技術・方法について学びを深めていきます。クラスごとの学習内容は、次のとおりです。幼稚園リズム・表現・運動あそび、保育環境構成、特別な配慮を必要とする幼児の指導、教育課程と指導計画、保育案の指導と立案、保育観察、保育参加実習小学校学習指導案の作成、各教科の授業づくり(国語、社会、算数、理科、音楽、図工、体育、家庭)、特別な教育的ニーズを持つ子どもたちの指導、授業観察、授業協議中学校・高等学校学級経営、特別活動、総合的な学習の時間、図書館教育、学校保健、授業観察(各教科、特別支援学級)、授業協議、実践研究(各教科の指導法)まもなく子どもたちの前に立つことへの期待と責任をひしひしと感じながら、「事前指導」を受講し、本番の「教育実習」に立ち向かっていきます。「教育実習」を通して、大学の講義室では学べない学校教育の圧倒的なリアルさに直面し、全身全霊をかけて「教育実習」に臨み、これまで感じたことのない充実感を得ます。一方で、認識不足・力量不足によって、子どもたちに十分な教育指導を行えなかった無力感も同時に味わいます。「教育実習」で感得したこのような気持ちを言葉にし、同級生や指導を受けた大学教員や教育実習校の教員に分かち伝えることで、「教育実習」を通した成果や課題を明らかにするのが、「事後指導」です。「事後指導」では、「教育実習」での学びに関するポスターセッションやプレゼンテーションを行うことで、自らの「体験」を「経験」に昇華させていくのです。5_SPRING 2016ならやま