ブックタイトルならやま2016秋号

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概要

ならやま2016秋号

NW羅針E奈良のわらべうたの盤奈良教育大学の取り組み取り組みについてS音楽教育講座准教授劉麟玉ESDプロジェクト「奈良県のわらべうた教材作成と授業実践プランの開発」―ESDとしての音楽科教育を実現させるためにーの一環として開発された、小中学校向け奈良のわらべうたを用いた教材を、大学院授業「新しい学びと授業構成」(劉、北條担当分)の成果発表会として実演しましたので、その様子を紹介します。わらべうたの地域性、郷土性に着目奈良県のわらべうたに取り組むきっかけは、3年前に遡ります。当時、兵庫県のわらべうたについて卒業論文を執筆していた学生を指導した際に、現行の音楽教科書に掲載されているわらべうたは、そのすべてが日本全国に共通するもので、地域の特徴がまったく反映されていないことに気づきました。各都道府県に独自のわらべうたがあるのにもかかわらず、教材として使われていないことがもったいないと感じました。なぜなら、各地域で伝承されているわらべうたはその土地の言語や生活に深く関わるもので、そこには地域性や郷土性があり、重要な伝統文化であるからです。奈良県のわらべうたも例外ではありません。このことをきっかけに、どのようにすれば、児童生徒たちが自分の生活環境に存在しているわらべうたにより長く触れることができるのかを考え始め、小中学校の教材としての可能性を模索し始めました。文化の継承を育むESDとはちょうど昨年7月に、「ESDを核とした教員養成の高度化-教員養成・研修におけるESDモデルプログラムの開発と普及-」による「ESDモデルプログラム開発プロジェクト」の一環として、本学内で「ESDプロジェクト」の募集がありました。ESDとはEducation for SustainableDevelopmentの略で、「持続可能な開発のための教育」と訳され、その目標は「持続可能な社会作りの担い手を育む教育」を目指すことです。その教育課題には「世界遺産や地域の文化財等に関する学習」が含まれています。奈良県のわらべうたはまさに無形文化財であり、さらに、一部のわらべうたの内容は世界遺産に関わるものです。教職大学院の宮下俊也先生、松川利広先生、国語教育講座の棚橋尚子先生、音楽教育講座の北條美香代先生、附属中学校の川合利幸先生のご協力を得て、奈良県のわらべうたの独自性に着目したプロジェクト、「奈良県のわらべうた教材作成と授業実践プランの開発-ESDとしての音楽科教育を実現させるために-」が発足しました。7_AUTUMN 2016ならやま