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概要

ならやま2017春号

特集地域ともに、地域で学ぶこれからの学校のあり方は、内向きの自己完結型ではなく、地域に開かれ、地域と連携する学校が理想とされています。そうした学校では、地域の教育力を活用し、有資格の専門スタッフやサポートスタッフが加わって教育活動が展開されます。教員を目指している奈良教育大学の学生にも、学校が地域と一体となって子どもたちを育むことの重要性を認識することが求められています。この特集では、奈良教育大学の学生たちが、正課あるいは課外活動において、学校を含む地域社会をフィールドとして実施している地域支援活動に注目し、その活動を通して、将来教員になる上で学生たちがどのような学びを得ているのかについて紹介します。topic1地域の子どもとともに学ぶ。仲間とともに、地域で学ぶ学習支援サークル「TNP(東市日本一プロジェクト)」TNPは、奈良市立東市小学校の子どもたちの学習支援をしている学生約20名からなるサークルです。水曜日の14時30分から16時30分に「まなび~や」という放課後子ども教室を年間30回以上実施しています。主な活動は「学習」と「遊び」です。学習の時間は、宿題を終わらせるだけでなく、学生が作ったプリントを使って、わからないところがわかるようになるよう個別指導をしています。遊びの時間は運動能力を高めることを目的にボール運動等を実施したり、文化的な活動もしています。活動後に学生たちは、毎回振り返りをして、うまく教えることができたことや難しかったことを共有して、今後の対応策を考えています。毎年6月末頃に、「東市まるごと子ども通学合宿」を行います。4年生から6年生の子どもたちが、地域の公共宿泊施設において、自分たちで炊事、掃除、洗濯をし、共同生活を行いながら学校に通うという5泊6日の行事です。奈良教育大学の学生に企画・運営の大部分が任されており、学生がスタッフとして関わるようになって今年で5回目となります。その他のTNPの活動として、学校と地域が連携して実施しているお祭り「東市まるごと子どもフェスタ」に企画段階から参加したり、夏休みの「夏の学習相談室」を実施したりしています。このプロジェクトを開始した平成23年当初は、日本教育大学協会の研究助成金を得て、教職を志望する学生が学校支援活動を異世代の地域住民とともに行うことで「総合的な人間力」を育成する奈良教育大学の事業として、林美輝准教授の主導により行われていましたが、林准教授が転出されて以降も、学生たちによる自主的なサークル活動として継続しています。卒業を迎える4回生が、4年間の活動を振り返る報告会において、TNPはリアルな教材研究の場であり、サークルの仲間との対話によって多様な考え方を知ることができ、試行錯誤しながら子どもたちとともに成長することができたと述べていました。主体的で、対話的な学びの場となっているようです。TNP(東市日本一プロジェクト)顧問保健体育講座教授高橋豪仁まなびーや(学習)通学合宿4年間活動を続けてきた4回生まなびーや(遊び)SPRING 2017ならやま_2