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概要

ならやま2017春号

ともに学ぶ。地域ともとに、地域で学ぶ特集topic3「地域スポーツ実習」の取り組み奈良教育大学の「地域スポーツ実習」という授業は、数時間の座学の時間を除けば、ほとんどを北葛城郡王寺町の児童に「バルシューレ(ボールゲーム教室の意味)」を教える実習とその振り返りで成り立つ授業です。履修生の多くは保健体育専修の学生ですが、時には他専修からの受講もあり、「地域で学ぶ」ことができる貴重な機会になっています。履修生は三人一組になり、交代で週に2度王寺アリーナ(王寺町体育館)に赴き、地域の児童のみなさんに「バルシューレ」を教えます。「バルシューレ」とは、ドイツ・ハイデルベルク大学が開発したもので、バレーボールやサッカーなど個別種目の学習に入る前の、すべてのボールゲームに共通する基礎要素を教える指導プログラムのことです。日本では、奈良教育大学名誉教授の木村真知子先生が紹介されたボールゲームの指導法です。履修生は何より、地域の児童のみなさんと直に触れ合うことで多くのことを学んでいます。実習後の報告会での履修生の感想を聞いていると、生き生きとした小学生の等身大の姿に時には戸惑いながらも、実習の回数を重ねていくごとに臨機応変に対応できる感触を実感している様子が伝わってきます。たとえば「子どもたちが私を指導者と認めてくれることで信頼関係が生まれ、ボールゲームを楽しいと感じてくれるようになった」と感想を述べていることからもそれがわかります。履修生にとって学びの場を地域に広げることで、地域の子どもたちに信頼されていることを実感し、それを自信につなげているようです。その自信が、学生それぞれのさらなる成長を促す機会となり、さらに地域の人々に信頼される教員になろうとする原動力になってくれることを願っています。保健体育講座准教授井上邦子地域で学ぶ「バルシューレ」SPRING 2017ならやま_4