ブックタイトルならやま2017春号
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ならやま2017春号
特集地域ともとに、地域で学ぶ“震災”についてtopic4地域と共に減災教育を考える東日本大震災から6年が経ちました。奈良教育大学では震災直後より、東北教育復興支援を続けています。今までに100名以上の学生が参加し、子どもたちの心に寄り添い、学習支援と教員のサポートを経験することで、各自が深い思いと教育への新たな情熱を抱いて帰ってきました。学生は被災地へ行くことだけで多くのことを学びますが、特に災害時に子どもたちの体と心をいかに守るか、減災教育や地域との連携の重要性に気付いたようで、将来の教員像に対する課題の一つとして「減災と地域」に対する意識が芽生えていました。そんなある日、学生から地域と共に学ぶ減災教育に関しての相談があり、静岡県防災士会作成の「避難所運営シミュレーションゲーム(避難所HUG)」を紹介しました。次世代教員養成センターボランティアサポートオフィスコーディネーター小島道子地域と共に減災教育を考える「KYOU-YOUプロジェクト」日時:平成28年10月22日(土)13:00~15:30会場:奈良教育大学次世代教員養成センター2号館多目的ホール避難所HUGとは「避難所HUG」は避難所運営を具体的にシミュレーション体験することにより、「参加者が自分のこととして考える」機会を提供するものです。地域との連携以前から協力関係にあった飛鳥中学校区地域教育協議会の方や、飛鳥幼・小・中学校の先生方と実行委員会を立ち上げ、事前研修を行い、当日は奈良県防災士会の植村理事長と奈良教育大学の古田准教授による「奈良で起こりうる地震と地域と共に考える避難所運営」の講演の後、「避難所HUG」を体験しました。学生の他に、地域の有志、現職教員、保護者、防災士会、全労済、そして将来地域を担う中学生など、立場や年齢層も多様な方々が60名以上参加し、幼い子どもたちを見守る保育室の運営なども地域の方の御協力により実施することができました。企業との連携協働して学生の学び実施するためには資材購入等の費用が発生します。学生は、広く社会にその理解者を求め、助成金申請をすることになりました。こうした学生中心の「自然災害に備え、いのちを守る活動」に対し、全労済地域貢献の助成を頂くことができました。参加者が活動を楽しみながらも「このような場合どうするか」と真剣に悩み、話し合い、共有できる場を提供できたことは大きな意味があり、自分自身のこととして考えた体験をそれぞれのコミュニティに持ち帰って拡げ、皆で考えていくきっかけになればと願っています。学生は運営していく中で、地域から、社会から多くを学び、中学生の「心から湧き上がる熱い想いや真剣さ」に感動し、「地域と協働して取り組む教育」の必要性や重要性を学びました。今後、学生には避難所運営だけでなく自ら見出した社会的課題の解決と協働の学びに向けて活動していくことを期待しています。5_SPRING 2017ならやま