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概要

ならやま2017秋号

ひと・あれ・これあの日の思いを胸に現在私は、奈良市立右京小学校に在籍しながら、奈良県教育委員会の委嘱を受け体力向上推進コーディネーターとして活動しています。自身の勤務校を含めた9つの小学校をまわり、実際に体育授業を行ったり、先生方と話し合ったりしながら、体育の授業づくりや体力向上の取り組みに対してアドバイスを行っています。学部生時代の思い出といえば、一番に浮かんでくるのが卒業論文の作成です。論文作成を通しての学びが今の私の土台を築いてくれたと確信しています。私は、体育科教育研究室、岡澤祥訓先生のもとで学びました。ここでは、生涯スポーツ実践者の育成に向けて、全ての子どもたちが運動に自信をもち、積極的に取り組むことのできる授業づくりについて研究が積み重ねられていました。論文作成にあたり、自分が知りたいことを求め、書籍や論文をたくさん読みました。研究室の先輩や仲間、時には現職の先生方に、自分の考え奈良市立右京小学校教諭体力向上推進コーディネーター(奈良県教育委員会からの委嘱)にしくぼあや西窪彩さん(教育学部学校教育教員養成課程身体・表現コース保健体育履修分野2007年3月卒業大学院修士課程教科教育専攻保健体育専修2015年3月修了)卒業論文発表会後のポスターセッションや思いを聞いてもらい、何度も何度も議論を重ねました。私の思いが論文として証明できるよう、岡澤先生―活躍する卒業生を紹介―が一緒に考え、時には厳しく、また寄り添いながら指導してくださったことは今でも忘れられません。このような日々は、論文を作成するためのものでしたが、同時に、自分はいったいどんな教師になりたいのか、どんな子どもに育てたいのかを考え続ける日々となりました。私が育てたい子ども像、それは「仲間と共に学ぶことによって自分の良さに気づき、自信をもって生きていくことのできる子」だということが、論文作成の過程で見えてきたのです。その思いは、卒業後10年経っても変わることはありません。この思いの実現に向け、もっと力をつけたい、学びを深めたいと大学院の夜間コースで岡澤研究室にもどったのは、教員生活6年目のことでした。教師としての経験を生かしながら、また新たな視点で研究を進め修士論文作成に向けた授業実践の様子体力向上推進コーディネーターとしての授業の様子Aftergraduationることができたと思っています。学部生時代に、多くの人に支えられ自分の思いと向き合った卒業論文作成は、教師としての私の根幹となっています。9つの学校で、多くの子どもたちに関わる今、一人でも多くの子どもが、仲間と関わりながら活動することによって、運動の楽しさを体感し、自信をもって積極的に授業に取り組めるようになってほしいと考えています。卒業論文作成で気づくことができたあの思い。これからも大切に、自分自身がスキルアップしながら、子どもたちと共に歩んでいきたいと思います。体力テストに向けた希望者練習会AUTUMN 2017ならやま_14