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概要

ならやま2018春号

特集教職大学院設立10年目を迎えて院長挨拶奈良教育大学教職大学院は、2008年の教職大学院制度創設と同時に我が国で初めて誕生した教職大学院の一つであり、今年で設立10年目を迎えました。現在ではほとんどの都道府県に教職大学院が設置されていますが、本学教職大学院には10年の経験に基づく特徴が二つあります。一つは、カリキュラムです。この10年間我々は、いわゆる「理論と実践の往還」を意識しつつ、どのような教員養成教育が「真に力量ある教員」の育成につながるのかを、単なる経験的・予定調和的ではなく、様々な実践研究を通じて明らかにし、カリキュラムにその成果を取り入れてきました。その結果、ただ実践経験の時間を増やすだけでは得られない学びを提供できるようになっています。2016年度には特別支援教育専門の教員が加わり、新たな実践研究の蓄積が始まると同時に院生の教育に反映されていくでしょう。もう一つは、奈良県とのつながりの強さです。本学の地域密着型大学としてのミッションを踏まえて、教職大学院は、奈良県教育委員会や県内の地域教育委員会そして多くの学校との連携を拡大・強化してきました。例えば、教職大学院教員の中には、教育よしむらまさひと奈良教育大学教職大学院長吉村雅仁行政職や学校管理職の経験者も多く、学部卒院生にとっては教員採用試験の対策、現職院生にとっては教育現場での悩みに関する支援が提供されています。また、この10年間の修了生の中には、指導主事や管理職に就いている人も多く、奈良県とのつながりはますます深まることでしょう。みなさんの教師としての力量向上を、理論的にそして実践的に支えるカリキュラムと教員チームがここにはあります。特に奈良県の教師としての採用・レベルアップを目指すなら、本学教職大学院が最適だと言えるでしょう。本特集では、「カリキュラム及びコースの概要」、また教職大学院ならではの「必修としての実習」と夏休みを利用した「へき地学校実習」、そして昨年度から新たに加えられた「特別支援教育コース」の紹介をいたします。[ポイント][カリキュラムの特徴]指導体制入学時に決めた課題解決に向けて、大学と連携協力校とが共にチームを組み、複数の教員で指導に当たります。学習の場大学での授業のほかに、連携協力校などと大学外で学ぶことが多くあります。カリキュラムは、下図に示すように、「共通科目(5領域)」と「3つの実践科目」と「現代的教育課題科目」から構成されています。共通科目(5領域)実3践つ科の目教育課程の編成・実施に関する領域教科等の実践的指導法に関する領域生徒指導、教育相談に関する領域学級経営、学校経営に関する領域学校教育と教員の在り方に関する領域◆実習科目?課題探究実習Ⅰ・Ⅱカリキュラムと評価の連動など教材教具開発など◆フィールドベースの演習科目?アクションリサーチ?課題解決実習Ⅰ・Ⅱなど?ポートフォリオとキャリア発達など生徒指導・学校教育臨床など学級・学校経営実践論など学校危機管理論、インクルーシブ教育原論など◆研究科目?課題研究主な科目?実践理論研究など?小学校教員免許取得プログラム※標準修業年限は3年または4年となります。?特別支援学校教員免許取得プログラム※標準修業年限は3年となります。課現題代科的目教育◆現代的教育課題に対応する科目?子ども理解と教育?特別支援教育の教育課程・授業論などSPRING 2018ならやま_2