ブックタイトルならやま2018春号
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ならやま2018春号
特集教職大学院設立10年目を迎えてへき地学校実習十津川サマースクールへき地学校実習は十津川サマースクールという取り組みが核になっています。十津川サマースクールは、2010年に奈良県南端に位置する十津川村内の1小学校(へき地学校)と本学教職大学院の間で、「子どもたちに学ぶ楽しさを伝える機会」として、8月の3日間現地でスタートさせました。次年度、村の要望を受け、村教委との共催行事として対象を村内全小学校(高学年の希望児童)に拡大し、現在に至っています。昨年度からはこの取り組みの計画、運営を中心とした院生の一連の学びをへき地学校実習として単位化しています。以下に本年度へき地学校実習に参加した院生の感想を掲載します。十津川サマースクールを終えて大学院教育学研究科教職開発専攻こがねざわけんた学習指導コース1回生小金沢健太さん十津川サマースクール開校!……えっ、夏休みに学校で勉強?!子どもたち集まるのかな……。いやいや、待てよ。学校を意味するスクールは「スコレー(schol?)」が語源。では、スコレー元来の意味をご存知でしょうか?実は「余暇」や「閑暇」という意味から発展して「自己充実を目指す時間」なのだそうです。ということは、夏休みに学校で勉強するサマースクールは、語源的には理にかなっているのだと納得したのを覚えています。サマースクールには十津川村内の小学校5・6年生13名と、院生11名が集まり、8月23日(水)~25日(金)に十津川中学校にて実施しました。私はサマースクールの院生代表として参加しましたので、今回は誌面をお借りして活動内容を報告させていただきたいと思います。私たちは「学びあう十津川?教科書だけでは学べない楽しい授業?」をテーマに国語・算数・理科・社会の授業をしました。私は理科を担当しましたので、授業での実験の流れを紹介します。授業で扱ったのは「真空」です。子どもたちに「風船を真空装置に入れるとどうなるでしょうか」と問いかけました。膨らむ、縮む、変化なし……。各々が予想を立て、発表した後はいよいよ実験です。結果は……見事に膨らみました。日常での例として、山頂にポテトチップスを持っていくと袋がパンパンに膨らむことも伝えました。他にも「真空で物の落下速度は変わるか」や「真空で音は伝わるのか」といった実験も行いました。どの実験も子どもたちは興味津々だったと感じました。もちろん「楽しい」「面白い」で終わっては授業とは言えないでしょう。上記の実験も、空気がない真空にすることで逆説的に空気の働き(空気の押す力や空気抵抗等)を学ぶというねらいがありました。さて、教科書にない学習内容で授業を構成するにあたって、教材研究の難しさを全ての院生が感じました。各教科ともに、子どもたちに学ばせたい学習内容の本質を見極め、どのようなアプローチができるのかを検討して授業構成をしました。また、学習内容が日常でどう活かされているのかを知るように努めました。どの教科も「学びあう十津川?教科書だけでは学べない楽しい授業?」のテーマに相応しい授業ができたと思います。今後の授業実践でも、今回のように楽しく学十津川中学校と奈良教育大学とを双方向遠隔テレビ会議システムで結び、LIVE中継を行いました。べるような工夫を盛り込んでいきたいです。また「学びあう十津川」のテーマ通り、今年度は人とのつながりを意識しました。これは何も子どもたちに限った話ではなく、院生も同様です。サマースクールを運営するにあたり、授業以外にも事前に送るビデオレターの準備やしおりの作成、当日の司会・進行といった多くの役割があり、協働して臨みました。私は院生代表として会議の調整と進捗状況を踏まえたスケジュール管理を中心に行い、他の院生がスムーズに仕事ができるよう意識しました。無事に終えることができたのは、役割を分担し、皆が協働して動いてくれたおかげだと思います。一人の力ではできないことを可能にしたという感動は、同期の院生に恵まれたからこそだと感謝しています。最後になりますが、当然サマースクールの主役は参加した13名の子どもたちです。サマースクールの3日間が子供たちの学びとよい思い出になっていれば嬉しく思います。5_SPRING 2018ならやま