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概要

ならやま2018夏号

3.多様性に関する理解の広がりを求めて-講演会の開催「性」の多様性の理解の重要性を中心として、学生教育やハラスメント研修なども兼ねた形で講演会を開催しました。第1回講演会「性の多様性について考えよう」を、教養科目「ジェンダー研究」(中谷いずみ担当)の一環として開催しました(2017年11月28日)。性同一性障害当事者である倉嶋麻理奈先生を招聘し、性の多様性について当事者としての経験も交えながら講演していただきました。性の多様性に関する基礎知識や教育現場や自治体の動向、さらに性自認に関する気づきやカミングアウトの経緯、生徒や教職員、保護者の反応などの体験について話をしていただきました。約100名が参加し、アンケートでは、児童生徒も含むそれぞれの多様性への気づきや尊重することの大切さに関する理解など、基礎知識習得や意識変化に関する記載が見られました。第2回講演会「誰もが安心できる居場所のために―教育現場は多様性をどう受けとめるのか―」は、名古屋大学での視察の成果も踏まえて、LGBT等の当事者がハラスメント被害にあう可能性を低くする啓発研修の一環としても位置づけました(2018年3月1日)講師には、李洋氏(奈良教育大学教職大学院修了生)と中澤未美子氏(名古屋大学ハラスメント相談センター助教)をお招きしました。李氏はマイノリティ当事者としての体験談を中心に、言語的・文化的マイノリティやセクシュアル・マイノリティに関して話をされました。中澤氏は教育現場におけるハラスメントの問題を視野に入れつつLGBT等に関する基礎知識や国際的国内的動向、カミングアウトとアウティングについて話をされ、また教員役と生徒役にふりわけたロールプレイなども行っていただきました。学生・教職員を含め約25名が参加しました。アンケートからは、児童・生徒・学生という立場から教職員に相談する際のハードルの高さに気づいたことや、教職員として対応する際の留意点を知ったことなどの記載が見られました。今回の講演会が、教職員の立場から多様性を理解し個別に対応し支援するための一助となったことが分かりました。これらの成果を踏まえて、2018年度には、メンバーを拡充し、カリキュラムならびに教材作成のためのガイドラインを検討する予定です。9_SUMMER 2018ならやま