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概要

ならやま2018夏号

W羅盤N針E奈良教育大学の取り組み多様性理解とこれからの教員養成「多様性理解プロジェクト」よりSいくた教育連携講座生田しゅうじ周二「多様性(ダイバーシティ)」の理解は、持続可能な社会の基本的な理念を示すものとなってきています。本プロジェクトは、国際的に広がりを見せている「多様性」を、学校教育において確認し、多様性理解から教育を見なおし、多様な背景をもつ児童生徒に対応できる力を育成するための教員養成・現職教員研修カリキュラム作成や教育方法の開発を目的としています。人権と教育という観点から、外国にルーツを持つ子どもたちなどの言語的文化的少数者、性的マイノリティであるLGBTs、民族や宗教、障害、ジェンダーなど多様な背景をもつ児童・生徒・教職員・保護者が安心して共に学び、参画できる場をつくることが強調されてきた経過を踏まえ、「多様性」という大きな枠組みの中で、より深く尊重するための基礎として位置づける試みでもあります。1.多様性理解に関わる共通認識と本学での努力本プロジェクトでは、多様性理解に関わる各領域の研究動向や現場における取り組みなどを報告しあい、それぞれの分野での努力や課題などを検討してきました。プロジェクトでの議論の中で、持続可能な開発目標(SDGs)の実現をめざす国際的動向として、多様性の理解とそれを包摂(インクルージョン)する社会の構築について理解を深めました。市民性教育、人権教育、言語教育、特別支援教育、ジェンダー研究などの中で、学校教育がより広い視野を持つ必要があることが示され、多様なアイデンティティを含み込んだ教員養成の内容が語られました。それぞれの教員が、各自の分野での研究・教育において多様性の理解を深め、それらを組み込みながら本学での教育を展開してきている一端について学び合いました。こうした努力をまとめ、大学教育として、またよりいっそう質の高い教員養成と研修として構築していく必要性が共通認識されていきました。7_SUMMER 2018ならやま