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概要

ならやま 2018秋

クローズアップ本学教員の研究を詳しく紹介数学を見直してみよう?微分方程式を交えて?たかはし数学教育講座准教授高橋りょう亮数学は役に立つが、その応用は知覚困難である現象と微分方程式私たちは義務教育を受ける際に算数・数学を学習します。人によっては、高校・大学においても数学の学習を続けます。そのときに、「数学は何の役に立つのか?」と考える方は少なくないのではないでしょうか。先にこの疑問に対する結論を述べれば、数学は役に立っています。例えば、数学を用いずに建物、道路、遊具等をつくった場合、それらは要求される安全性を持っていない可能性があります。数学と諸分野の理論がうまく合わさることによって安全性が保障されるわけです(道路、ジェットコースターに関しては、クロソイド曲線を調べてみるとよいでしょう)。また、私たちが普段使用している電子機器は電子回路によって制御されているわけですが、その正常な制御のために数学が必要不可欠です。他にも身の回りで数学が応用されているものは無数に存在します。インターネットを用いて身の回りのものを調べてみるとよいでしょう。ただ、数学の応用は知覚困難であるため、上記の疑問が生じるのだと思われます。前述のとおり、数学が応用される対象は無数にあります。対象を調べるためには、それに関与する現象を調べる必要があります。現象を詳細に調べるためには、現象を表現する数式が必要となります。現象を表現する数式はいろいろありますが、その中の主たるものとして「微分方程式」が挙げられます(微分方程式:微分(導関数)を含む方程式)。その理由を大ざっぱに述べます。現象を考察する際、我々は大抵(調べたい)量の変化に注目します。微分は、ある量の瞬間的変化率をあらわします。したがって、ある量の変化を考察するために、微分があらわれることは自然だと言えるでしょう。このことと諸分野の原理が組み合わさることによって微分方程式が導出されます。以上のことをまとめて一考すると、現象を表現する主たる方法として微分方程式を挙げることがわかるかと思われます。そうすると、現象の数だけ微分方程式がある、といっても過言ではないかもしれません。面白いと思いませんか?下:研究室のメンバーとAUTUMN 2018ならやま_10