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概要

ならやま 2019春

クローズアップ+本学教員の研究と、研究室をそれぞれ紹介します。次世代教員養成センター教育臨床・学校カウンセリング領域いちき教育連携講座教授市来ゆ百り合こ子私はもともと大学の学部では心理学を専攻していました。その時はラットで実験をしたり、卒業論文も大型コンピューターの建物が開いている時間帯しか使えずもちろん論文も手書きだったなあと思い出します。そして「臨床心理士」の資格は今でこそ多くの人の知るところとなり、さらに「公認心理師」という国家資格が近年誕生しましたが、私が卒業した1984年には臨床心理学に特化した仕事などはありませんでした。たまたま卒業後、奨学金をもらうことができて米国の大学院で「アートセラピー」を学ぶ機会を得ましたが、そこでの学びは‘苦行’でもあり、私の原点ともなったように思います。帰国したころに日本では臨床心理士の資格が誕生(1988)しており、それを取得して精神科病院や特別養護老人ホーム、児童虐待の防止協会、保健所、小児科のデイケア、そして公立小中高でのスクールカウンセリングなど様々な機関で働きました。中でも1995年に始まった文部科学省主導のスクールカウンセリングに長く携わり、小学校から高校まで学校で起こる様々な問題や課題(不登校、いじめ、非行、虐待問題、学級崩壊等々)に向き合う機会を得ることができました。そうした経験を経て、現在は本学で教師になりたい学生さんに、少しでもそういった生徒指導に係る問題に対して深く悩むことのできる先生を育てることの一助になれればと考えています。SPRING 2019ならやま_10