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概要

ならやま 2019春

例えば、下の「私のプチお守り」は、自分にとって大切なもの、安心するものを描いたり、雑誌を切り抜いたコラージュを作ったりして自分のお守りにするものです。子どもたちは、受容的な保健室の環境で心理的なエネルギーを貯めこんだあと、仲の良い友達と一緒に給食を保健室で食べたり、勇気を出して全校集会に参加してみるなど外界へ向かってチャレンジしていきます。ワークシートの作成によって、そこで生じる不安は吸収され、自分を支えてくれるものを自分の中にみつけていきます。これを作ること自体に自己理解の意味がありますが、描いたものをたたんでポケットに入れて自分のお守りとし、教室や全校集会などに行ってみることで、次の社会化のステップになる場合もあります。教育臨床における適用もう一つ現在取り組んでいるのは、不登校支援のシステムづくりやそれに参加する大学生の教育臨床力の養成に関する研究です。学校に行かない・行けない子どもたちに対して大学生が「斜めの関係」から係わることで、教師ではない近い視点でそのような子どもたちを支援することができます。そのプログラムに参加する学生も子どもたちも互いにいろいろな刺激を受けて成長していくことを興味深く感じています。本学に来てからは教育現場にアートセラピーのエッセンスを適用できないかと考えてきました。その一つとして、保健室・別室登校への対応や個別の教育相談の方法として、「アートワークシート」という自己表現のためのプリントを何種類か作成しました。SPRING 2019ならやま_12