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概要

ならやま 2019春

奈教のひみつ“なっきょん’s CLUB”企画附属中学校裏山クラブ奈良教育大学附属中学校に、裏山クラブというユニークな部活動があるのをご存じでしょうか。今回はその裏山クラブについてご紹介します。たけむらかげき取材協力:裏山クラブ顧問教諭竹村景生1どうして学校にツリーハウス?附属中学校にある裏山に入ってみると、まず目につくのがツリーハウスです。その高さは4mあり、そこからの眺めは抜群です。他にも子どもたちが作ったツリーハウスが2基あります。1基は、体育館横にビオトープ観察用のものがあり、もう1基は、附属幼稚園に卒業生達が作ったものがあります。どうやってツリーハウスを作ったと思いますか?元は上北山村の森林組合の方と地元の間伐材を使って作ったものです。その後、台風で何回か潰れてその都度立て直してきました。今は、第1回ツリーハウス選手権の初代チャンピオンで、秘密基地研究会の幸田高由さんが10年以上もの間、伊勢から裏山クラブのアドバイザーとして来てくださっています。この幸田さんの影響を受けて、弟子入りしている附中生や奈教大生もいます。元々は、荒れた里山林である裏山の間伐整備が目的で始まった裏山クラブでしたが、いつのときからか子どもたちが秘密基地を作り始め、そこを拠点にして山の中での冒険ごっこが始まりました。子どもたちは、森の中に隠ることが大好きです。泥だらけになって山の斜面を滑っています。木登りもします。刀や弓を作ります。当然生傷も絶えませんが、そんなことはお構いなしです。お家の方からは「洗濯が…」という嘆きがよく届けられますが、それでも子どもたちが「学校が(裏山クラブ)が楽しいと元気に言ってくれるのは何よりも嬉しい」と、お話ししてくださいます。現在、部員は60名弱おり、全校生徒の7人に1人は裏山クラブ員です。ツリーハウスからの眺めは抜群!2古代幻視は未来へのperspectiveところで、どうして「学校にツリーハウス?」と疑問に思われる方も多いと思います。ツリーハウスを作り始めたきっかけは、子どもたちがこの丘に櫓を幻視したことに始まります。裏山からは西に平城京、ウワナベ・コナベ古墳、生駒山、遠く六甲が見えます。北は平安京、比叡山が見えます。東に三笠山、東大寺が見えます。南は奈良盆地、三輪山、遠く弥山まで見渡せます。西方からの使者達の往来もきっと古代の人には見えたはずです。歴史を眺めてきた櫓があってもおかしくないと思い、子どもたちが作り始めました。勉強が終わった放課後、鳥の目線の高さになって、木の上で風を感じながらツリーハウスの上から眺める景色は、子どもたちにとって素敵で平和な未来に見えるのだろうなと思います。15_SPRING 2019ならやま