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概要

ならやま 2019春

奈良教育大学における防災への取り組み特集学生の意識の向上を目指して多くの学生らは避難訓練を幼少期から経験しており、教員の指示に従い行動することが身についています。しかし本学の学生は、将来教員になることを意識し、自分自身で考え子どもの生命を預かる意識のもとでの行動が求められます。そのため、参加者には、なぜ訓練を実施しているのかを理解してもらう必要がありました。防災PTでは、今回の防災訓練で、大学キャンパスの地理的リスクや、避難経路におけるリスク、そして自宅への帰宅判断などを説明したり、課題設定したりすることで、より災害を現実のものとして意識付けるねらいを持たせました。避難経路等のチェックを行う学生訓練では負傷者が出ることも想定ブラインド型による訓練2018年11月21日水曜日、11時47分頃に南海トラフ地震により奈良市内に震度6強の揺れが発生したことを想定した訓練を全学で実施しました。訓練には主体的に参加する学生らが、実際の授業の教員役となって学生らを安全に避難させる取り組みも行われました。パニックを起こす学生や負傷役の学生なども設定し、それらに冷静にかつ適切に対応することなども、訓練課題として行いました。今回のシナリオは一部を秘匿(ブラインド型訓練)して実施し、より現場での状況判断を求める形にしました。訓練時にパニックを起こした演技をする学生防災教育の意識付け訓練講師として、東日本大震災などでも活躍された奈良県災害派遣医療チーム(DMAT)で南奈良総合医療センター兼中和保健所循環器内科部長の守川義信医師を外部専門家として招聘し訓練全体を通した課題や問題点を講評していただき、また、「いのちを守る-災害医療と安全-」と題し、実際の被災現場での様子や災害時における組織体制や医療支援(CSCATTT)の大切さなどを講演いただき、教員をめざす学生らの意識変革を促しました。教員として子どもの生命を守る災害は、いつ、どのような状況で起こるかわからないので、常にその脅威を感じ、危機感を維持するのは難しいかもしれません。しかし、教員を志す本学の学生には、預かる子どもの生命を守り、そして子どもたちに、どのようにして自らの生命を守るのかを教育していかなければなりません。防災PTでは、このことを使命に、これからもより効果の高い防災訓練、防災教育とは何かを追求していきます。SPRING 2019ならやま_4