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概要

ならやま 2019春

特集奈良教育大学における防災への取り組み学生主体の取り組み日本初、市民メディカルラリーへの学生の参加について本学4回生の中﨑大貴さんが中心となり、将来子ども達の命を守る立場の教員として、自ら防災力を高めようと意欲をもった学生達が、保健体育講座の笠次教授(整形外科医師)の指導の下にチームを編成し、平成30年11月18日(日)にイオンモール高の原で行われた市民メディカルラリーに唯一の学生チームとして参加しました。市民メディカルラリーとは、一般市民ができる災害医療の基本を事前に学び、災害関連死を減らすことを目的とした、一般市民を対象とした災害対処の技術を競い合う技能コンテストです。これまでは、医療機関などを対象に行われてきましたが、専門的な資格を持たない消防団員や、一般市民を競技者とするのは、全国でも初めての取り組みということです。競技者は、チームで連携して模擬傷病者へのトリアージ・応急処置・こころのケア・避難所アセスメントなど、医師・消防隊に引き継ぐまでの初期対応を的確に行えているかを競います。奈良教育大学チームのリーダーの中﨑大貴さんは、今回の市民メディカルラリーに参加した理由について、「平成30年6月に発生した大阪北部地震の際に、現地の小学校へボランティアとして赴いた際、おびえて泣いているような子どももいた。来年の春からは小学校教諭になるので、実際に教員になったときに、自分が預かる子どもたちも守らなければいけない。そういう想いから今回仲間を募り参加しました」と語っています。市民メディカルラリーの参加に向けて学生達は、自主的に勉強会を開き、笠次教授の指導の下、マニュアルに沿って訓練をし、学生それぞれが気づいた点をお互いに指摘し合い学習を行いました。当日の市民メディカルラリーでの学生の奮闘ぶり本学学生チームが最初に挑んだのは、深部静脈血栓症への対処のステージでした。深部静脈血栓症とはエコノミークラス症候群とも言われ、狭い避難所や車中泊などで長時間座りっぱなしでいると、静脈に血の塊ができて肺などに詰まってしまう病気で、命にかかわることもあります。後遺症を残さないために深部静脈血栓症の早期発見と適切な予防と対応について行いました。チームで独自に作成した血栓症予防のためのパンフレットを配布し、競技会場の採点者の救命救急士から高い評価を受けていました。市民メディカルラリーに参加した本学学生上段右端が中﨑さん5_SPRING 2019ならやま