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概要

ならやま 2019春

W羅盤NS針E奈良教育大学の取り組みカンボジア国教員養成大学設立のための基盤構築プロジェクトについてもり理科教育講座森もと本こういち弘一プロジェクトの背景プロジェクトについてカンボジア国は、1970年代後半のポル・ポト政権による学校教育の廃止と知識階層の粛清によって人材育成システムが崩壊しました。内戦が終息した後、教育システムは、急速な量的拡大によって復興が行われましたが、依然として、学校教育には、留年率・退学率の高さ、能力のある教員の不足等の質的な課題が残っています。JICA(国際協力機構)は、永年にわたりカンボジア復興の支援を行ってきましたが、まだ前期中等教育(日本の中学校レベル)における就学率は32.6%と低く、退学率も18.8%と高い数値を示しています。人材育成はカンボジアの将来的な産業の高度化において極めて重要であり、早急な教育の質の改善が求められています。プロジェクトの内容私は、小学校課程、中学校課程の理科教育を担当しています。指導科目の例として、「小学校理科カリキュラムとその実践」「小学校理科教育学」「小学校理科授業デザインと実践に関する新しい工夫」「物理カリキュラムに関する理解」「物理指導とマイクロティーチング」「化学カリキュラムと化学教育学」「化学におけるマイクロティーチング」「生物教育カリキュラムと科学的実践」「生物教育学」「地学カリキュラムと地学教育学」「地学におけるマイクロティーチング」が挙げられます。これらの科目のシラバスを作成し、シラバスに基づいた学習指導案を作成し、教材を開発し、授業の実施方法を指導していきます。カンボジアには、基礎教育教員養成機関として、高校卒業後、2年制の小学校教員養成校(Provincial TeacherTraining College、以下「PTTC」)が18校、高校卒業後、2年制の中学校教員養成校(Regional TeacherTraining College、以下「RTTC」)が6校全国各地に配置されています。本プロジェクトの目的は、これらの教員養成校の質の向上を目指すために、首都プノンペンおよびバッタンバンの2か所に設置される教員養成大学(TeacherEducation College、以下「TEC」)のカリキュラム、シラバス、教材を作成、検討し、助言、指導等を行うことです。TECはカンボジアで初めて4年制の小中学校教員養成課程を提供することになります。このプロジェクトは、2017年1月に始まりました。研修は、カンボジア国内で実施されるほか、奈良教育大学でも毎年1か月ほど実施されます。2023年1月終了予定です。[プロジェクト参加教員]プロジェクト参加教員は、下記の通りです。英語:佐藤臨太郎教授、Peter Ferguson准教授数学:近藤裕教授理科:森本弘一教授、中村元彦教授情報:小柳和喜雄教授学級経営:橋崎頼子准教授心理学:出口拓彦准教授Kingdomof Cambodia7_SPRING 2019ならやま