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概要

ならやま 2019夏

クローズアップ+本学教員の研究と、研究室をそれぞれ紹介します。生き方に関わる教育の探究~家庭科・キャリア教育からのアプローチ~かわさき教職開発講座(教職大学院)教授河﨑ともえ智恵教職をめざして私は、2002年に本学家庭科教育講座の教員として着任しました。鹿の佇むのどかなキャンパスで、これからの教員生活にワクワクしたことを、昨日のことのようによく覚えています。2010年に教職大学院が開設されて以降は、徐々にキャリア教育の仕事が中心となりましたが、家庭科教育とキャリア教育は、生き方に関わる教育という点では共通しており、私の中では、両輪のような存在だと思っています。思えば、私は小学生の頃から料理を作るのが好きで、よく友達と一緒に、自宅で料理教室のようなことをして遊んでいました。中学を卒業する頃には、いろいろ迷いながらも、「将来は家庭科の先生になりたい」と思うようになりました。そして高校生になると、県立図書館や大きな書店に立ち寄っては、家政学関係の本を読むようになっていました。その当時出会った本は、今でも大切にしており、私の研究の原点ともなっています。そんな私は、教育学部に進学し、念願叶って家庭科教員となることができました。"趣味が授業研究”と言えるほど家庭科のことを考えるのが好きで、毎日が充実していました。そんなある日、生徒から家庭科の授業の後に、進路に関する悩みを打ち明けられたのです。けれども、当時の私には生徒の気持ちを聞くのが精一杯で、適切な支援や働きかけはできませんでした。次第に多くの生徒から進路に関する相談を受けるようになり、「進路指導って、いったい何なんだろう、どうしたらいいんだろう…」、このような疑問が、私の中で膨らんでいったのです。SUMMER 2019ならやま_10