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概要

ならやま 2020 春

クローズアップ+漢文学研究室で達成できること自分の理解のレベルが自分でわかるようになる。これがゼミの目標です。すべての物事にはどこまでも深い理解というのがあります。残念ながら、すべてにおいてその深みに到達することは不可能です。しかし、ごく限られた狭い範囲においてであっても深い理解に到達する経験をしておくと、他の理解レベルを相対化できます。今他人に教えている事柄を自分はどのレベルで理解しているのか。この自覚をもつことは人に何かを教えるときに教える側がもつべき責任だと思っています。最後に今年在籍した6人の卒論のテーマを紹介しておきましょう。洪水を治めて中国全土を平定した禹は竜の助けを借りたか(平成という元号は禹の故事から取られています)/古代の夢占いが当たったのはなぜか/授業の風景紀元前に現代に通じる図書分類法を生み出し得たのはなぜか/古代にはどのようにして人体内部の理解を深めていったか/鎖国日本は不時漂着した外国人とどう接したか/水滸伝を江戸に広めた曲亭馬琴の奇策とは。以上のテーマにつき漢文を読みながら考え、局所的に深い理解に到達してくれました。プロフィール国語教育講座はしもと教授橋本あきのり昭典1987年神戸市外国語大学外国語学部中国学科入学、2004年関西大学大学院文学研究科中国哲学史専修修了。博士(文学)。2 0 0 4年本学着任。2 016年より現職。ゼミ生からの研究室紹介漢文学研究室では思想や文化など中国に関わることを幅広く研究できます。文献を読むときは当たり前だと思っていることを疑いながら、一つひとつを辞書や用例に当たりながら検討していきます。そのため、漢文が読めるようになるだけでなく、固定観念にとらわれない姿勢を身につけることができます。ゼミは2つの形式で行っています。1つは所属ゼミ生が集まり、文献の調べ方や読み方を教わったり、各自の成果を全体で交流し、意見し合ったりするという形式です。もう1つは、個別で指導していただくという形式です。これは主に卒業論文作成時で、個々の研究内容に沿った丁寧な指導を受けることができます。漢文学研究室は、自分の知らない世界を知り、興味ある分野をとことん追求できる研究室です。教育学部学校教育教員養成課程教科教育専攻国語教育専修4回生大阪府立池田高等学校出身つだ津田ま真ほ歩さん11_SPRING 2020ならやま