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概要

ならやま 2020年夏号

人工知能の時代に外国語を学ぶ自動翻訳技術や音声認識技術は、これからますます進化していくことでしょう。このような状況における外国語の知識は、もはや無駄であるように思えるかもしれません。しかし、人工知能の精度向上にはある種のノイズが必要であったように、外国語を学ぶことは、外国語の知識などノイズに過ぎないと思っている人にとっても、やはり多くの益をもたらす可能性に満ちているのです。母語と異なる言語を学ぶことは、少々大げさな言い方をすると、新しい思考様式を学ぶことを意味します。ベルギーの大学が最近発表した研究によると、バイリンガル(外国語として第二言語を習得した人も含む)は、認知症の発症を4年ほど遅らせる可能性があるそうです。これは、母語とは異なる思考様式に触れることが、脳の鍛錬につながっている可能性を示唆しています。卒論完成時(昨年度学生)外国語習得のための魔法の杖などありません。使えるようになるには、長期にわたる努力と根気を必要とします。しかし「継続は力なり」とはよく言ったもので、コツコツと続けていれば、少しずつ力はついていくものです。そして、習得した外国語は、あなたに魔法のような世界をみせてくれるでしょう。あなたも何か外国語を学んでみませんか。プロフィール大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。日本学術振興会特別研究員(PD)を経て現職。主要業績:・『認知歴史言語学』(認知日本語学講座7、共著、くろしお出版、2 0 13)英語教育講座よねくらこ准教授米倉よう子・“(Inter)subjectification and(Inter)subjective Uses of the Modal Can,”(単著,Studies in Modern English : The Thirtieth Anniversary Publication ofthe Modern English Association, Eihosha, Tokyo, pp.339 - 354, 2014),・“Accounting for Lexical Variation in the Acceptance of the RecipientPassive in Late Modern English : A Semantic-Cognitive Approach,”(単著,Studies in Modern English 34, pp.1-26,2018)など。ゼミ生からの研究室紹介英語教育専修では、英語学・英米文学・英語教育それぞれの分野ごとに分かれてゼミ活動を行っています。その中でも、私たちの米倉研究室の学生は、言語学の研究を中心に活動しています。現在は6人の学生が在籍しており、留学帰りの学生も何人かいて、皆とても和気藹々としたメンバーです。ゼミの雰囲気は堅苦しくなく、とてもアットホームです。時には雑談を交えながら、とても快適に活動をしています。また、研究に関することはもちろん、大学生活に関することまで、米倉先生は様々な相談に乗ってくださいます。居心地の良い空間で、学生同士で切磋琢磨しながら成長することができる、これが米倉研究室の最大の魅力です。教育学部学校教育教員養成課程教科教育専攻英語教育専修4回生大阪府立豊中高等学校出身たなか田中ゆう裕じ二ろう郎さんSUMMER 2020ならやま_12