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概要

ならやま 2020年夏号

ひと・あれ・これ「過去」から「未来」へ経験をつなげる力私は大学卒業後、奈良市立朱雀小学校に勤務しています。昨年度は4年生の担任で、子どもたちが中学年から高学年に向けて、心も体も成長していく姿を間近で見ることができました。最終日には、「授業がわかりやすかったです。」「毎日学校に行くのが楽しかったです。」などと書かれた手紙をもらい、改めてこの仕事の素晴らしさに気づくことができました。私は大学時代、様々な経験を積みましたが、その中でも、大きな学びとなったのがTNP(東市日本一プロジェクト)です。この活動は、子どもたちの「生きる力」を高めることを目的としていて、教育大学の学生、学校、地域が協力して活動しています。とくに印象的なのは、通学合宿です。これは、約1週間子どもたちが自分で料理や洗濯をし、共同生活を行う活動です。私は2回生の時、企画・運営する学生リーダーとなりました。約50人の子どもたちや約20人の学生をまとめるというのはとても難しく、トラブルが起こることも度々ありました。しかし、地域の方に助言をいただきながら、子どもたちや学生と話し合いを繰り返すことで、最終日には集団の団結力が感じられました。このTNPの活動から私が学んだことは、仲間と協働することの大切さです。これは教育現場でも同じことが言えます。昨今の教育的課題は決して教員一人で解決できるものばかりではないと感じています。そんな時、同僚と話し合うことで課題に向かうことができます。また学級の中でも、子どもの意見を聴き、教師や友達の考えを伝え、子どもたち同士をつなげていくことで、よりよい学級になっていくと信じています。この原稿を書くに当たって、私が皆さんに伝えたいことは「過去」の経験を「今」そして「未来」につなげていってほしいということです。人はそれぞれにとても大切な人生を歩んでいて、それは本当に十人十色です。だからこそ、仲間とともに話し合い、協働することで、今までにない創造的な活動が生まれていくのです。私はTNPでの経験を「今」につなげていますし、これから先の「未来」にもつなげていきたいと思っています。奈良市立朱雀小学校教諭4年生担任(2019年度)やまおかさえこ山岡瑳江子さん(教育学部学校教育教員養成課程教育・発達基礎コース幼年教育専修2015年3月卒業)TNP AI合宿肯定的探求について、学生と地域の人で研修を深めました。―活躍する卒業生を紹介―TNP放課後子ども教室まなびーやAftergraduation朱雀小学校での授業風景TNP通学合宿SUMMER 2020ならやま_14