ブックタイトルならやま2021年夏号

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概要

ならやま2021年夏号

例えば、4月の入試室会議で来年度の入学願書の検討をした際、ある室員から「男女を記す欄は『宣言』に即して廃止すべきではないか」という意見が出ました(国へ男女別志願者数を報告しなければならなかったのでやむなく今回は見合わせることとしましたが)。「宣言」に即してこのような意見が出たことは嬉しいことです。私たちは、これを機に、キャンパスにおいても、それぞれの生活においても、人権を侵害する差別的な発言や行為はないか、バリアフリーが実現していない環境はないか、コロナ禍で困っている人はいないか等、ダイバーシティ・インクルージョンに関わる意識を常に研ぎ澄まし、状況を鋭く察知し、深く考え、たとえ小さなことでも勇気を出して、意見を述べたり行動に移したりする努力をしなければなりません。その行動の源泉は、子どもであっても、学生であっても、大人であっても、これまで生きてきた中で得た経験と知識を活用したイマジネーション(想像力)かな、と私は思います。相手の気持ちや行動の背景を想像する、周囲の事物と人とが関わる場面を想像する、等々。けれどもこれはなかなか難しい。努力が必要でしょう。しかしこれができれば「格調高い自分」に一歩近づけるかもしれません。「格調高い奈良教育大学」を構成する要素は、「格調高い一人ひとり」ではないかと思います。「格調高い…」から、なぜか『誇り高く生きよう』という忌野清志郎の歌を思い出しました。相手(ここでは恋人ですが)のために誇り高く生きよう、と歌っています。「奈良教育大学ダイバーシティ・インクルージョン推進宣言」を読みながら聴いてみてください。学内に宣言文が掲示された写真9_SUMMER 2021ならやま