ブックタイトルならやま2021年夏号

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概要

ならやま2021年夏号

クローズアップ+本学教員の研究と、研究室をそれぞれ紹介します。文化遺産が語るもの調査・分析・復元かねはら理科教育講座金原まさあき正明教授文化遺産あれこれ本学の3つの柱の冒頭に「人・環境・文化遺産と対話を通した教育の追求」とあり、「本学は、古都・奈良の中心に位置し、豊かな自然や世界遺産を含む多くの伝統文化遺産に囲まれています……奈良で学ぶ喜びを実感しながら、感性を磨くことができます」とあります。文化遺産はともあれ世界遺産である寺院や国宝や重文だけと思われがちです。世界遺産条約では有形の不動産で、記念物、建造物群、遺跡、文化的景観などの「文化遺産」、地形や生態系などの「自然遺産」、文化遺産と自然遺産の両方の価値を兼ね備えた「複合遺産」の3つの種類に分けてあります。わが国の文化財保護法では、文化財を「有形文化財」「無形文化財」「民俗文化財」「記念物」「文化的景観」「伝統的建造物群」の6種類に分けています。奈良の文化遺産を知ることから始める具体的に奈良の文化財を時代順に見ていくと、古く旧石器時代は二上山にサヌカイト(安山岩)という石器の原石の山地があります。縄文時代は希少ですが、奈良盆地から大和高原に遺跡が分布しています。これらの遺跡はいくつか史跡指定されていますが、石器は香芝市二上山博物館、縄文土器等は奈良県立橿原考古学研究所に詳しく展示されています。弥生時代は大集落の遺跡が埴輪の実測いくつかあり、代表的な田原本町唐古・鍵遺跡は史跡公園化されています。展示を行っている田原本町唐古・鍵ミュージアムに日本を代表する遺物が展示されています。古墳時代の初頭では邪馬台国ではないかと考える研究者の多い桜井市纒向遺跡があり、桜井市纒向学研究センターを設立し研究が行われています。代表的な古墳群として、前期の大和・柳本古墳群や箸墓古墳、前期から中期の奈良市佐紀盾列古墳群、中期の馬見古墳群などが代表的です。後期は天理市杣之内古墳群などがあります。7世紀は飛鳥時代でもあり古墳時代終末期でもあり、明日香に宮跡、寺院、古墳が集中します。藤原京を経て奈良時代、平城京が営まれ、東大寺などの建造物と仏像も多く現存しています。これらは、いずれも教育の基礎資料になるものであり、史跡公園や博物館には、小中学校で訪れます。SUMMER 2021ならやま_10