ブックタイトルならやま2021年夏号

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概要

ならやま2021年夏号

クローズアップ+文化遺産を分析・記録する文化遺産教育の教員は希少な専門性の高い技術を用いて研究を行い以下のような成果があります。学生も研究に付随し研究テーマを立てる場合が多いです。田原本町唐古・鍵史跡公園では、花粉分析などで解析して導き出した植物が植えられました。纒向遺跡では日本最古のベニバナやバジルの花粉が検出されました。また、藤ノ木古墳の石棺内からベニバナの花粉を多量に検出し、その用途はいまだ議論されています。平城京の庭園や飛鳥京苑池遺構では出土する種子や花粉の分析から庭園木が植えられていたことがわかりました。藤原京では寄生虫卵分析によって水洗式便所の存在が実証されました。この時期には大陸からナツ新薬師寺旧境内出土木製品の保存処理メ、ムクゲ、アンズ、フユアオイが新たに入ってきて、庭園や道路際に植えられていました。唐招提寺や薬師寺においては建物の解体修理が行われた際、描かれていた奈良時代の彩色文様の記録保存を教員が中心に卒業生・院生・学生が参加し行っています。三位一体の復元ベニバナ花粉藤ノ木古墳唐招提寺の金堂の落慶法要に使われたという重要ごひけまん文化財牛皮華鬘は、現存8枚ありますが、長年の間にざんけつ欠損が著しいものや残闕になってしまっていたものもありました。彩色の教員と分析の教員と復元を行う研究員が三位一体となって調査・分析・復元を行いました。牛皮華鬘は彩色を施してありましたが劣化して黒色化し不鮮明になっていました。肉眼観察に加え、赤外線写真、メボウキ属(バジル類)花粉纏向遺跡3世紀後半牛皮華鬘の復元(共同研究)11_SUMMER 2021ならやま