ブックタイトルならやま2021年夏号

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概要

ならやま2021年夏号

本学のESDの取り組み特集大学院でのESD教育本学は、令和4年度から新しい大学院をスタートさせる予定です。新大学院は、専門職学位課程(以下、教職大学院と記します)・修士課程ともに、SDGsやESDと深く関わらせた教育課程を編成しています。教職大学院は全国に多数存在しますが、奈良教育大学の新教職大学院は、「『持続可能な社会づくりの担い手』を育成できる高度な専門性と実践力を兼ね備えた教員を養成する」ことを最大の特色としています。具体的には、共通科目に「ESD-SDGsの理論と実践」を設けたり、ESDのスペシャリストとして学校全体をリードできる科目群を構成したりしています。また、各教科指導において高い力量を身に付けたい院生のために、「ESDとしての教育実践(言語・社会科学領域)」「同(理数・生活科学領域)」「同(芸術・保健体育領域)」を設けました。これらの授業では、先に紹介した『学校教育におけるSDGs・ESDの理論と実践』がテキストとして使われます。新修士課程でも「SDGsと教育」「世界の中の奈良-文化を知り・つなぎ・伝える-」「グローバル・シティズンシップ教育論」の3科目を「共通コア科目」として設置し、SDGsやESDと関連付けた教育・研究を行います。もちろん、学部においてもESDに強い教員の養成を行っています。今、地球の持続可能性がとても危うい状況です。新型コロナウイルスも私たちの平和を脅かすものです。どうしたら持続可能な社会を築くことができるのか、私たち一人ひとりはそのために何をすればよいのか、そして、これからの社会を幸せにするために子どもたちをどう育てていったらよいのか、奈良教育大学、そして大学院で一緒に考えていきましょう。令和4年4月大学院改組特設ページhttps://www.nara-edu.ac.jp/guide/R4daigakuinkaiso.html科目に関連するSDGs目標をシラバスに掲載令和3年度より、本学開講科目のシラバスに、「その科目で扱う内容がSDGsのどの目標と関連しているのか」を示すこととしました(図1)。その意図は、担当する教員と受講する学生の両者がその科目の内容を教え、学び、研究することの「意味」を認識することにあります。例えば「体育実技Ⅱ(テニス)」の到達目標は「自己の健康や体力に対する認識を深め、健康増進や体力づくりに応用できる/テニスの楽しさを体感し、安全に体力の向上や技術の獲得を図ることができる/テニスの特性およびルールを理解し、ゲームを実施できる」と示されています。これらは学生自身に求めるものです。一方、この科目はSDGsのゴール3(「すべての人に健康と福祉を」)にチェックが入っています。これは、この科目を学んだ学生には、その学びや経験を活かし、すべての人に健康と福祉をもたらすために貢献することを期待しているというメッセージでもあります。受講生のすべてがテニスコーチになるわけではなく、体育の専科教員になるわけでもありませんが、本学の体育の授業でテニスを学ぶことの究極の意味は、健康と福祉によって持続可能な社会を創造していくということを理解し、社会人として貢献することである、ということです。SDGsは17の目標で構成されています。その中のゴール4は「質の高い教育をみんなに」です。しかし、他の目標も、その到達には「質の高い教育」が必要であることは言うまでもなく(図2のようなイメージです)、それこそがESDであると思います。奈良教育大学は、本学の教育そのものもESDとして位置付け、「持続可能な社会の創り手」を育成できる教員養成機関として、SDGsの到達を目指していきます。図1図2The content of this publication has not been approved by the United Nations anddoes not reflect the views of the United Nations or its officials or Member States.https://www.un.org/sustainabledevelopment/sustainable-development-goals/SUMMER 2021ならやま_4