ブックタイトルならやま2021年夏号

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概要

ならやま2021年夏号

特集本学のESDの取り組み奈良の観光を大きく変える「奈良SDGs学び旅」奈良には世界遺産である「古都奈良の文化財」に代表される豊かな歴史文化遺産が、1300年の時を経て、今なお数多く受け継がれています。この歴史文化遺産をSDGsの教育資源として捉え直し、奈良観光の変革を目的に、奈良新しい学び旅推進協議会に参画し取り組んでいます。1300年間という事実には、持続可能な社会づくりに関わるヒントが隠されていると考え、造り方と受け継ぎ方に着目してみました。古都奈良の文化財の造り方には、2つの共通点が見られます。それは当時の最新技術を使って造られていることと、国際協力です。東大寺の大仏は中国や朝鮮半島をルーツに持つ技術者も協力の下、最新の鋳造技術で造られました。興福寺の阿修羅像は脱活乾漆というハイテクで軽く造られていたため、7度の火災の際も運び出すことができたのでしょう。次に受け継ぎ方です。対照的なものとして平城宮跡と元興寺があります。平城宮跡は朝廷の力で造られましたが、都が遷ると田畑になってしまいました。元興寺は、蘇我氏が明日香に建立した法興寺が奈良に移ってきたものですから、初めからスポンサーが不在でした。それでも元興寺は1300年間受け継がれています。そこには浄土の入り口として、元興寺を大切にし、受け継いでいこうとする民衆一人ひとりの行動がありました。持続可能な社会をつくっていくためには、国際協力と技術の革新、そして人々の能動的な参加・協力が重要であることを、実物を目の前にして感動を伴って学ぶ、それが「奈良SDGs学び旅」です。文部科学省令和3年度ユネスコ活動費補助金(SDGs達成の担い手育成(ESD)推進事業)に採択国内の教育現場における持続可能な開発目標(SDGs)の達成の担い手を育む多様な教育活動(ESD)を実施・支援する団体に対して、当該事業を実施するために必要とする経費への補助を行う「ユネスコ活動費補助金」(SDGs達成の担い手育成(ESD)推進事業)に、本学の「ESDティーチャープログラムの展開による教師教育の推進事業」が採択されました。本事業では、全国の学校現場でESD推進の核となる人材(ESDティーチャー)の育成、ESDの質的向上とESDティーチャー等の実践者のネットワーク化、及び全国の学校教員のESDへの理解促進と実践への意欲化を目的に、次の3つの取り組みを実施します。(1)ESD実践者に必要な資質・能力の育成を目的に本学が開発したESDティーチャープログラムのオンライン・オフラインのハイブリッド方式による実施。(2)ESDティーチャー等、ESD関心層を対象とした、オンラインでの継続的なフォローアップ研修の実施。(3)研修成果としての成果発表会のハイブリッドでの開催。5_SUMMER 2021ならやま