ブックタイトルならやま2021年秋号

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概要

ならやま2021年秋号

クローズアップ+本学教員の研究と、研究室をそれぞれ紹介します。存在の自明性を問うかじお社会科教育講座梶尾ゆうし悠史准教授学校教育と哲学哲学とは今、考え議論する活動が学校教育において重要視されています。この活動は広い意味で「哲学」と呼べます。しかし、本来の哲学は、思考の対象や方法を正確に限定したうえで厳密にその枠内で考える、特別な思考活動です。では、このような学問としての哲学は、学校教育とまったく無縁なのでしょうか。以下では、哲学とはどのような営みであるかを説明し、わたしの見解を述べたいと思います。誰しも、日常の当たり前の事柄が不意に謎めいて見えてきて、得も言われぬ驚きにとらわれることがあるでしょう。たとえば「存在するとは?」という問い。この問いは世界観の土台を根底から揺るがすだけに、計り知れない驚きを私たちにもたらします。こうした驚きとともに哲学は始まるのです。日常を驚きの目で眺めるとき、私たちはすでに哲学を始めています。このように哲学は日常の延長哲学・倫理学研究室のメンバー。卒論構想発表会に臨む。梶尾悠史『フッサールの志向性理論』晃洋書房、2014年。11_AUTUMN 2021ならやま