ブックタイトルならやま2021年秋号

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概要

ならやま2021年秋号

学長対談特集1加藤この「奈良カレッジズ」は、5つの大学と2つの大学院からなるアメリカのクレアモント・カレッジズのような、学生の横の交流が活発であったり、単位互換だけでない深いつながりを持つかたちを目指しています。奈良という地のポテンシャルの上に、2つの大学があるからこそ、こういったカレッジズ構想が可能なのです。今岡自分の学部だけで狭く考えてしまうのではなく、異分野交流を積極的に行おうという考えです。もうひとつのキーワードである「イノベーション」を起こすには、異分野交流が必要なのです。別々にやってきた複数の大学が一緒になることで、それぞれのアイデンティティを保ちつつ、リソースを共有し、違う分野の学生や研究者同今回の法人統合を契機とし奈良県下教育研究機関との協働による奈良カレッジズの構築関西文化学術研究都市に立地する研究機関奈良国立博物館奈良文化財研究所地域に基盤を置く企業群奈良工業高等専門学校奈良先端科学技術大学院大学奈良国立大学機構×地域機関の強みを集結し、学修者中心の「主体的な学び」への転換と地域イノベーションの創出を強力に実現加藤今岡士が集まって交流を行うことができます。日本ではこれまでなかった取り組みです。来年度からは、「奈良カレッジズ学問祭」というお祭りを開催します。両大学と、協力してくださる諸機関の方々によっていろいろな講座が開かれます。こうして異分野交流の仕掛けを作り、「イノベーション」につなげていきます。アメリカでは、学部と大学院で違う大学、分野に行くことが多くあります。日本もそれでいいと思うのです。教育大の女性の学生が女子大の大学院に進む、逆も然りです。他の大学院に行くことで、新しい考え方との出会いも得られますから。そうですね。チャレンジ精神を持って、こういうことをしたいから、学部はこういう学びをできるところを選ぶ、大学院はこう、と、形式的でない本気のダブルディグリーを目指してほしいと思います。例えば、遺伝子工学の分野で遺伝子コードの照合システムを開発した若い研究者の方は、ドイツの大学の学部で情報を学び、イギリスの大学院で生物学を学んでいます。自分のキャリアの中で異分野交流をしているわけです。そういった学びをしていく人が世界でイノベーションを起こしていくのです。AUTUMN 2021ならやま_4